手足の形成には「酸素」が欠かせない、東工大などの研究

2019年6月16日 19:23

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手足の形の作り方の違い。(画像:東京工業大学発表資料より)

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 動物の中には、手足に水かきを持つものと持たないものがいる。遡れば水かきがある生物の方が先で、水かきのない生物の方が後から生まれた。水かきのない手足の形成には「指間細胞死(しかんさいぼうし)」というプロセスが関わっているのだが、このプロセスには「酸素」が重要な関わりを持っているという事実を、東京工業大学などの研究グループが突き止めた。

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 研究に参加しているのは、東京工業大学の田中幹子准教授、イングリッド・ローゼンバーグ・コルデイロ(Ingrid Rosenburg Cordeiro)大学院生、山形大学の越智陽城准教授、ハーバード大学のジェームス・ハンケン(James Hanken)教授ら。

 カエルなどの両生類は、指と指間の細胞増殖によって手足を形作る。これに対し鳥類や哺乳類は、手足の細胞の一部を「細胞死」によって削り、多様な手足を形成している。この細胞死が、進化上どのように出現したのかはこれまで明らかではなかった。

 今回の研究では、まずアフリカツメガエルという両生類のオタマジャクシに着目した。両生類であるから水かきを持っているのが普通なのだが、このオタマジャクシを高濃度の酸素環境で飼育すると、足の指の間に本来は生じないはずの細胞死が生じることが観察された。さらに同じ現象は、指の間の血管(酸素の供給源)を増やしただけでも起こった。

 次に研究チームが注目したのは、コキコヤスガエルである。このカエルは、オタマジャクシの期間を持たず、カエルの姿のまま陸上で孵化する珍しいカエルである。当然、幼生のうちから大気の酸素を浴びて呼吸することになるわけだが、このカエルの幼生の足の間にも、細胞死を起こしている細胞が確認されたという。

 今後の研究としては、どのような酸素ストレスへの応答が発生プログラムに関わっているのかを明らかにしたいという。

 研究の詳細は、国際科学誌「Developmental Cell」に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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