マツモトキヨシHDの営業利益率の高さを考える

2019年4月21日 07:52

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 マツモトキヨシホールディングス(以下、マツキヨHD)の(売上高)営業利益率の高さは、何に起因しているのか。

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 ドラッグストア業界大手5社を売上高基準で捉えると、「ウエルシアホールディングス」「ツルハホールディングス」「コスモス薬局」「マツキヨHD」「スギホールディングス」の順になる。

 だが既に2019年2月期の決算発表を終えたウエルシアHD/スギHDの営業利益率は、3.7%/5.3%。5月期決算のツルハHD/コスモス薬局の期初計画での営業利益率は、5.4%/3.7%。対してマツキヨHDの期初計画営業利益率は6.1%、4-12月期実績で通期営業利益計画に対する進捗率77%を勘案すると、「以上」で着地することはあっても「以下」は考えづらい。

 第3四半期決算で想定通りの展開を同社は「エリアシェア拡大の結実」と総括している。二つの意味が込められている。一つは前期までの「不採算店一掃⇔新規出店」による「地方都市での至近距離(足の便に優れた)店舗」体制の整備による、営業利益率の底上げ。

 そしていま一つは「インバウンド需要を獲得しうる出店の拡充」。前期末時点で免税対応店は265店。それが第3四半期末では793店と3倍近くに増えている。総売上高の10%超にまで「インバウンド需要」が及んでいる。こう記すと「オリンピック後を考えると一抹の不安を禁じえない」とする指摘が出てこよう。否定しがたい指摘である。が、ドラッグストア業界のアナリストの多くが「既に見越した展開に手を打っている」とする。そしてこう説く。

 「マツキヨは業界にあってもPB商品が多い。花粉症の自分は時期になると、ある市販薬を重宝していた。マツキヨのPB商品だ。うっかり同じ商品を買おうと他の大手チェーンに飛び込んだら“これはマツキヨさんでしか売っていません。ここにマツキヨさんのマークがついている”と言われた。花粉症薬にして然りだ。(PB商品の詳細はHPで確認!)。マツキヨの高価・高機能化粧品などは、インバウンドに人気が高い。帰国後に体感するとマツキヨPB商品の展開に敏感になる。対してマツキヨは中国の対話アプリ“微信(ウィーチャット)”を通じ、越境ECサイトを活用した新商品情報・割引クーポンの配信を始めている。インバウンダーの需要を(オリンピック後も)フォローする、逃さない体制を整備している」。

 またPB商品を含む主軸商品による、新たな収益柱を目指した新業態の店舗展開にも注力している。例えば「マツキヨLAB」。薬剤師・管理栄養士・ビューティースペシャリストなどの専門家を配置し「美と健康」を前面に押し出した店舗展開など、その好例といえる。

 かつて売上高首位だったマツキヨHDは「利益率最優先」に舵を切ったと断じるのは、早計だろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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