三菱電機、AI同士が競い合って学習するGANをコンパクト化 資源1/10に

2019年2月3日 12:07

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GANの仕組みと今回の開発技術(写真:三菱電機の発表資料より)

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 三菱電機は1月31日、2つのAIを競わせてリアルな画像生成を実現する敵対的生成ネットワーク(GAN: Generative Adversarial Network)において、演算量とメモリ量を10分の1に削減した「コンパクトなGAN」を世界で初めて開発したと発表した。

【こちらも】東芝と理研、コンパクトDNNでAIを高速化 エッジでの推論は加速するか

 人工知能(AI)の分野で最も実用化が進んでいるのが深層学習(ディープラーニング)だ。人間の脳の神経細胞(ニューロン)を模したニューラルネットワーク構造を用いて、学習と推論を行う。ディープラーニングの課題は、AI開発時におけるAIの学習時間とAI適用時におけるAIの推論時間の短縮だ。

 東芝と理化学研究所は2018年12月17日、深層ニューラルネットワーク(DNN: Deep Neural Networks)のコンパクト化技術を開発。学習の際に、DNNの一部のパラメーターがゼロ近傍に収束する場合があるが、ゼロとなったパラメーターは推論時には必要でない。この特性を利用して、DNNの認識能力を維持したままで、学習したパラメーターを80%削減。演算性能の向上とメモリ量の削減を同時に実現した。

 この発表では、学習する画像などの数量は変わらず、学習時間も同等であるが、推論時間が単純計算で1/5に短縮される。エッジデバイスでの高度なDNNの活用を可能にする。

 他方、ディープラーニングによる画像の認識技術が発展する一方で、学習する画像などを自動で生成する技術も脚光を浴びている。ディープラーニングには、膨大なバリエーションのデータが必要だ。AIの学習時間以上に、画像データの収集に必要な時間や人員といった準備コストは膨大だ。

 今回の発表は、ディープラーニングのための学習用画像準備コストを削減可能なGANに関するものであり、DNNのコンパクト化と同様に、GANのコンパクト化技術を開発した。

 GANの演算やメモリといったコンピュータ資源を10分の1に削減。これは世界初だ。

●コンパクトGANの特長
 画像生成AIを構成する多層ニューラルネットワーク各層の重要度を評価するアルゴリズムを開発し、コンパクトGANに至る。

 コンパクトGANの画像生成に必要な演算量とメモリ量を、学術論文などで公開されているGANとを比較。演算量とメモリ量を1/10に削減。重要度が低い層を削除した効果だ。

 ノートパソコンなどでも効率的なAI学習用の画像生成が可能になる時代が到来か。(記事:小池豊・記事一覧を見る

関連キーワード理化学研究所(理研)人工知能(AI)東芝三菱電機ディープラーニング(深層学習)神経細胞

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