NASAの火星探査車Opportunity、通信が途絶えたまま16年目に突入

2019年1月29日 16:58

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記事提供元:スラド

headless曰く、 NASAの火星探査車Opportunityが日本時間1月25日、火星着陸から16年目に突入した(NASAジェット推進研究所のニュース記事1記事2Register)。

 Opportunityが火星に着陸したのは日本時間2004年1月25日。一足早い2004年1月4日に着陸した双子の火星探査車Spiritは2011年にミッションを終了しているが、2機とも当初予定していた90火星日(Sol 90)を大幅に超える長期の探査を実現した。Opportunityは昨年2月16日にSol 5,000に到達し、この時点で着陸地点から45km以上移動していた。しかし、3月から砂嵐に火星全体が覆われ、6月以降の通信が途絶えている。

 NASAジェット推進研究所(JPL)では過去7か月にわたってOpportunityとの通信を600回以上試みており、昨年9月からはビープを返すよう指示する「sweep and beep」コマンドを送信しているが、現在のところOpportunityからの応答はない。そのため、可能性が低いと考えられていた1)メインのXバンド無線装置が故障2)メイン・サブともにXバンド無線装置が故障3)内部時計が狂っている、という3つのシナリオを想定した新たなコマンドを加え、今後数週間にわたって送信を行う計画だという。

 Opportunityからの通信が途絶えた理由は砂嵐により太陽光が遮断されて充電ができなくなったためとみられており、風が強くなって太陽電池パネルに積もった砂埃が吹き飛ばされる現在は復旧の大きなチャンスなのだという。一方、火星の南半球では冬が近づいており、Opportunityの電源が入らないまま冬を迎えればバッテリーや配線、コンピューターシステムなどが回復不能なダメージを受ける可能性もあるとのことだ。

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