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たそがれる仮想通貨、暗号資産と改名されていよいよ凋落が本格化か?

2018年12月29日 11:43

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 金融庁は8月10日付の「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」という文書で、いわゆる仮想通貨を「暗号資産」と呼称している。3月に開催されたG20加盟国のコンセンサスは既に暗号資産と呼称することでまとまっていたため、共同声明内でもCrypto-asset(暗号資産)と表記されてた。

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 G20では、消費者や投資家の保護と市場の健全性を担保するために、通貨と呼ぶには価格変動幅が大きすぎるという懸念が払拭されなかった。最大の問題は価格変動の要因が需要の大小に限られているため、市場参加者が価格の上昇や下落の理由を理解できないところにある。

 2017年12月の初旬には人気銘柄であるビットコインに取引が集中して、1ビットコインが200万円を超えるピークを経験したが、1年後の18年12月中には40万円を下回る値を付けたことさえある。ピークとの比較では5分の1にまで価格が低下するという値動きの荒さだ。

 17年の初旬から年末までの異様な価格上昇と、その後の反落の理由を納得性を担保して明快に説明できる人はいない。需要が増えたから価格が上がり、売却が増えたから価格が下がるでは、一般的な投資家が売買を決断するタイミングが見えない。思惑だけが頼りのマネーゲームの色彩が鮮明になっていた。

 実体経済の中では既に暗号資産離れが静かに進行している。GMOインターネット(GMO)は、18年12月期にマイニング(採掘)関連で約355億円の特別損失の計上を明らかにした。GMOは主軸にインターネットのインフラ事業を置いているが、17年にマイニングのために自社開発した半導体チップを搭載した採掘装置の製造販売事業へと幅を広げた。ところが、市場から調達して一緒に搭載する電子部品の価格高騰により、採掘装置販売が延期された末に、とうとう装置製造販売事業からの撤退を決断した。17年12月期の自己資本が437億円のため、屋台骨を揺るがすことにはならないにしても、大きなダメージであることに変わりはない。

 暗号資産の市場の低迷により、大量の電気と専用のハードが必要なマイニング業務は、利益を上げることが難しくなっている。現在、1ビットコインが55万円を超えていなければマイニングをしても利益にはならないという。このためマイニング業務から撤退する業者が激増しているという訳で、採掘装置を購入する業者は現れない。結果としてGMOの採掘装置事業は、1台の装置を販売することもなく撤退の憂き目に遭った。

 暗号資産はコインチェックやテックビューロによる流出事件が相次いだ。危機感を共有して発足した筈の「日本仮想通貨交換業協会」自体が、流出問題での統一方針を策定できない状況にあるなど、安心して投資ができる環境が整備されているとは言い難い。おまけに、闇サイトとしてのダークウェブの存在がクローズアップされるなど、怪しさが付きまとう状態では新規に投資する人は限られてしまうだろう。

 言葉の持つイメージの力は大きい。仮想通貨と聞くと、根拠のない前向きの気持ちが強くなるが、暗号資産では「騙されないように気を付けなきゃ!」のような気持ちにさせられる。GMOに限らず、コインチェックを買収したマネックスや交換事業への参入を表明したSBIホールディングスも当てが外れた口ではないだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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