JAXAと産総研、AIで衛星データを解析へ スパコン活用 地震予測等を迅速に

2018年12月27日 21:27

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人工衛星「だいち2号」に搭載された合成開口レーダー(SAR) (c) JAXA

人工衛星「だいち2号」に搭載された合成開口レーダー(SAR) (c) JAXA[写真拡大]

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、産業技術総合研究所(産総研)と衛星データをAIで解析する研究に関する協定を締結したことを発表した。産総研が所有する大規模クラウド計算システム(ABCI)を活用し、JAXAの保有する衛星データを解析する人工知能(AI)技術を研究開発するという。

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■産総研が保有するAI特化型スーパーコンピューター

 ABCIは、経済産業省の「人工知能に関するグローバル研究開発拠点整備事業」の一環として、産総研と東工大が設計と開発を行った、AI処理が可能なスーパーコンピューターだ。産総研柏センターのAIデータセンター棟に構築されており、8月1日より運用を開始。産学官連携や多様な事業者の利用を促進し、AI技術の研究開発や実装を加速させることを目指している。

 高性能GPUを4,352基搭載したABCIは、世界トップクラスの実運用が可能という。世界のスパコン速度性能ランキングTop500では、2018年6月版で5位、11月版で7位を記録。10月に実施したABCIグランドチャレンジでは、ソニーの研究グループが深層学習の学習速度の世界最速記録を大幅に更新した。

■専門家による解析では限界のある人工衛星のデータ

 JAXAは、人工衛星「だいち2号」等を用いて、災害被害状況等を観測している。人工衛星を用いた災害観測では、浸水や土砂災害等の災害発生箇所の推定は、取得データを基に、人が必要な情報を最終的に抽出していた。ところが、地球観測衛星の増加や高性能化により、データが爆発的に増加。とくに、だいち2号に搭載された合成開口レーダー(SAR)は、地震に伴う地殻変動を可視化し地震の危険性の予測に役立つものの、限られた専門家しか処理解析が行えないため、迅速に抽出するには限界があるという。

 この課題を解決するために、JAXAが30年以上にわたって蓄積したSARによるデータ等と、ABCIを相互利用する枠組みをJAXAと産総研が構築し、新たな研究開発を進めることになった。

 今回の協定により、JAXAと産総研以外に、ABCIを利用する国内研究者も大量の衛星データ処理が可能になり、AI解析手法に関する研究開発の飛躍的な推進が期待されるという。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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