日産・検査不正はカルロス・ゴーンの体質(2) 品質保障の意味も分からなくなった体質

2018年12月25日 06:36

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■日産自動車の新規不正

 日産自動車は12月7日、新たな不正が見つかったと発表した。また12月19日、国土交通省は、日産自動車に、完成検査を確実にするため、業務改善を指導した。

【前回は】日産・検査不正はカルロス・ゴーンの体質(1) M&A、投資効率優先の経営が原因?

 完成検査においては、出荷前に自動車の各機能が設計通りの正常な働きをし、安全性を確保していることを確認するのが目的だ。その検査工程において、検査方法が決められているはずなのだが、それが重要視されず無視されていたようだ。詳しい内容が伝えられないが、ブレーキ、ハンドル、スピードメーターなど、マニュアルと違った手順で測定していたようだ。完成検査なので、実際の不具合は確認されていないようだ。それでもリコールするのは、国の安全確保の基準に従っていないからだ。現場では、完成する前の各工程で十分な品質確保がなされているのが当然なので、どうしても完成検査は形骸化してしまう。それは、トップの姿勢で決まるものだ。

 今回リコール対象は、約15万台と発表された。

■品質保障の意味も分からなくなった体質

 次々に不正が出てくる現象は、会社全体の社員が、「品質保証」に関心が持てていない証拠だ。製造業においては、「品質保証」が前提で全てが組み立てられていなければ危険が生じるので、最優先課題となる。その上で、商品力の一つとして価格が安いことが求められる。いわゆるコスト競争だ。しかし、最近の経営陣は、株主に雇われたサラリーマンで、株主の意向がすべてを決めることとなる。株主は当然、投資なので「配当や株価の値上がり」を求めることとなる。投資効率とコストは、短期間での視野から見ると対立する課題だが、長期の経営では矛盾するものではない。しかし、株主は短期の保有者が増えており、経営陣に短期での成果を要求してしまう。ビジネスモデルに対する理解も短期的な見方であり、本質を理解できているとは言い難い人が大多数だ。

 M&Aに熱心な経営者は、ビジネスモデルの本質を理解できていないことが多くある。日産自動車のカルロス・ゴーン元会長も自動車産業の本質を理解できているとは思えない。テスラのイーロン・マスク氏ほどではないが、金融知識・株式知識に偏っていたようだ。自動車産業は、製造業の中でも知識集約産業と言われるほど、多くの技術の集大成だ。国の文化レベルを示していると言ってもよいほどだ。

■IT産業は製造や物流を伴わない、サービス産業に近い形態だ

 IT産業では「アイディア」に比重が大きい。ファーウェイのように、製造部門より設計など開発分野の先進性が将来を決めることとなる。最近の傾向で、どの業種でも売り上げ的にも、コスト構成においてもソフト分野が巨大になってきており、マネーゲームで利益を上げられる金融業界が拡大し、社会では投資がすべてと勘違いする傾向が強い。しかし、人間の社会では「衣・食・住」を満足させるのが最終目的である以上、「製造(現代社会では量産)」が省かれることはありえない。むしろ、資金運用だけで巨大な利益を上げられる社会そのものが異常であると言えよう。

 次は、資本主義は「平等ではない」ことを理解しよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 日産・検査不正はカルロス・ゴーンの体質(3) 「日本企業の品質瓦解」の真の原因は?

関連キーワード日産自動車カルロス・ゴーン国土交通省リコール(回収・無償修理)

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