ファーウェイのAI自動運転技術(2) AI顔認証システム中国全土で稼働 監視社会の恐怖

2018年12月19日 21:57

小

中

大

印刷

■共産主義は「能力に応じて働き、必要に応じて配分される」システムが理想

 しかし、アメリカなら良くて、中国ではなぜダメなのであろうか?もちろん、5Gの世界になると通信速度が100倍となり、ドローンの遠隔操縦など軍事利用も実用的になる。数々の通信上のサービスが可能となってくるため、これまでとは違った重要度が出てくることとなる。しかし、それがアメリカならいいのであろうか?

【前回は】ファーウェイのAI自動運転技術(1) これからどうなる? アウディと協業、ボッシュと提携

 中国の社会制度は共産主義である。現在の妙な制度になったのは、「改革開放」が始まったからだ。共産党一党独裁のまま資本主義を導入したからだ。資産の個人所有を原則認めていない共同生産作業の中で、資本主義のシステムは似つかわしくなないものだった。「配当・利息」などは、共産主義にとって禁断の果実だったはずだ。

 共産主義は、『能力に応じて働き、必要に応じて配分される』のが経済の理想的原則だった。一方、資本主義は稼いだ分だけ私有財産となるシステムだ。この差で、共産国家ソビエトは経済的遅れで瓦解した。「必要なだけ配分されるのなら、楽したほうが良い」となり、国民全体が「役人仕事」になってしまったのだ。そのため生産性が低く、財政的に破綻してしまったのだった。

 中国は、それを反省して資本主義経済システムを取りいれたのだが、共産党一党独裁は継続されなければならないとされた。

■共産党一党独裁の監視社会と民主主義

 中国には「言論の自由」はなく、国の三権分立の民主制度はない。すべては共産党が権力を握っているため、共産党を牛耳った習近平氏などの独裁が出来ている。国民の意思が、共産党の意向に沿わなければ弾圧される。共産党批判をすれば投獄、もしくは死刑にもなる。

 現在、AI顔認証システムが中国国内に広く配置が進み、監視社会となって、日常から国民は監視されることとなってきている。中国国民はこれでも良いと思っているのであろう。経済的発展が続いている中、不満は表面的には表れない。この監視システムは世界に輸出され始めており、世界の国々の人々が監視される可能性が、危惧されるようになってきている。これと、軍事的武器としてシステムダウンが、通信機器分野でファーウェイを締め出しにかかるアメリカの危惧と伝えられている。

 問題は、中国は一党独裁の国であり、ファーウェイは事実上、国が支配する企業であることだ。民間企業、株式会社で「株主の大半は社員である」と言ってみても、意味のない国の制度である。「国家の情報収集に国民は協力しなければならない」との法律も制定されている。問題は、中国が民主的制度でないことで、ファーウェイが通信設備で覇権を握ると、知らぬ間に監視社会が世界中に広がる可能性が考えられることなのだ。もちろん、軍事利用の懸念が考えられている。

■AI自動運転・コネクテッドでファーウェイとどのように付き合ったらよいのか?

 当面はアウディ、ボッシュがどう出るかだが、通信機器の分野でドイツもファーウェイ排除に動いていることがどのように影響するのであろうか?自動運転でも、コネクテッドでも、情報の流失やシステムの破壊などの懸念は現実だ。外部からの支配の懸念がある機器を、軍事用自動運転システムに使用することは難しいだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワードドイツアメリカ中国自動運転共産党習近平ファーウェイ(Huawei)

関連記事

広告