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ソニー、自動運転に向けたCMOSセンサー商品化 死角カバーや月明かりでの人物認識
車載カメラ向けCMOSイメージセンサー 『IMX490』(写真:ソニーの発表資料より)[写真拡大]
ソニーは18日、車載カメラ向けの1/1.55型有効540万画素CMOSイメージセンサー『IMX490』を商品化し、2019年3月からサンプル出荷を開始すると発表した。
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半導体市場の調査会社であるIC Insightsは5月8日、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー市場は2017年の125億ドルから、2018年は10%増の137億ドルとなり、2022年には190億ドルに達するとの予測を発表。125億ドルの売上は、昨年のIC Insightsの予測115億ドルを大きく上回る。また、CMOSイメージセンサーは全イメージセンサーの81%を占め、今後もその割合は増すであろう。
最新のスマホでは、2つのCMOSイメージセンサーを使用したデュアルレンズカメラシステムに移行し高画質写真を実現。個人のインスタグラム活用が、このスマホの流れを後押しする。
CMOSイメージセンサーの強気な予測の背景には、スマホでの需要に加えて、自動運転、マシンビジョン、人の認識、セキュリティ市場の伸びが加わる。特に、自動運転市場でのCMOSイメージセンサー需要は旺盛だ。
今回の発表は、自動運転に向けCMOSイメージセンサーの能力を増強。ソニーのドル箱であるイメージセンサーの更なる強化を図るものだ。
サンプル出荷は2019年3月、サンプル価格は税抜きで1万5千円。
●IMX490の特長
業界最多の1/1.55型有効540万画素は広角の撮影を可能にする。水平方向では、自転車や歩行者の急な飛び出しなどより広範囲の状況を認識。垂直方向では、交差点での停止線から見上げる信号機をも認識する。
HDR(High Dynamic Range)機能とLEDフリッカーの抑制機能を同時利用して、従来比約3倍となる120デシベルの広いダイナミックレンジを実現。トンネルの出入口や夜間の市街地など、明暗差の大きな場面でも画面全体にわたって黒潰れや白飛びを防ぐ。
2,280ミリボルトと15%感度を向上し、夜間歩行者との衝突を回避。月明かりに相当する低照度0.1ルクスにおける障害物や人物などの認識が可能だ。
●CMOSイメージセンサー(ソニー、IMX490)のテクノロジー
イメージセンサーの技術力で、車載用途として求められる品質と機能を実現。開発プロセスは、自動車向け機能安全規格「ISO 26262」に準拠し設計品質を確保し、機能安全要求レベルの最も厳しい「ASIL(Automotive Safety Integrity Level)D」に対応した。
また、イメージセンサーから出力される画像の改ざんを防ぐセキュリティ機能を実装。ハッキングなどの対策も盛り込む。
なお、量産出荷までに自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100 Grade2」を満たす計画だ。
今後最もCMOSイメージセンサーの成長が期待される一方で、安全要求の厳しい自動運転市場。ソニーが市場を制覇するための要は機能安全要求に応える品質であろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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