マツキヨココカラ&カンパニー、福岡の新生堂薬局を子会社化 九州でシェア拡大へ

2025年8月15日 09:31

印刷

 ドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニーは13日、子会社のアンドカンパニーが、福岡市に本拠を置く薬局チェーン・新生堂薬局の株式を100%取得し、グループに迎え入れることを取締役会で決議した。コスモス薬品やドラッグストアモリなど地元資本との競争が続く九州で、グループシェアの拡大を目指す。

【こちらも】調剤薬局の合理化と利用者に優しい、くすりの窓口の足元

 新生堂薬局の株式は、アンドカンパニーが創業家の水田家などから全株式を取得する。取得額は守秘義務契約を結んだとして公表していないが、株式は10月1日付で譲渡される。株式買収の影響はマツキヨココカラ&カンパニーで精査している。

 新生堂薬局は1959年、現在の長崎県南島原市で薬局として開業したのが前身。薬局チェーンとしては1978年に創業し、現在は福岡市南区に本社を置いて調剤薬局やドラッグストアを九州の福岡、長崎、熊本、鹿児島4県と首都圏の東京都、千葉県に約120店展開している。2024年9月期の売上高は子会社との単純合算で287億3,100万円に達した。

 アンドカンパニーは、新たにグループに加わる薬局・ドラッグストアチェーンに独自性を発揮してもらう目的で、8月1日に新設された中間持ち株会社。マツモトキヨシグループ、ココカラファイングループという既存の両中間持ち株会社とは異なるグループを形成する。

 九州は他地域に比べ、ドラッグストアの店舗数が少なく、出店余地が大きいと考えられている。地元資本のコスモス薬品やドラッグストアモリなどに加え、全国大手のウエルシアグループやツルハグループなどが進出し、激しい販売競争を繰り広げている。

 マツキヨココカラ&カンパニーは、店舗の大半を九州に置く新生堂薬局を関連会社化してグループに迎えることで、九州での激戦を有利に運びたい考え。新生堂薬局は2031年までの中期経営計画でさらなる事業規模の拡大を打ち出しているが、マツキヨココカラグループの経営資源を活用することで目標達成を図る。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事