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M&A軸にグローバル体制拡充:テルモ株とは中長期構えで対峙したい
テルモ(4543、東証プライム市場)。相変わらず好業績を積み重ねている。過去5期間で「平均11.68%の増収、12.42%の営業増益」、「29円配が26円配(1対2の株式分割を勘案すると実質52円配)」を実現している。今2026年3月期も「1.3%増収(1兆500億円)、5.2%営業増益(2140億円)、4円増配30円配」計画。
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2023年3月期~27年3月期の5カ年中計が進んでいるが、「売上高成長率:5年間平均で1桁台後半の持続的成長。売上高1兆円」「営業利益率:5年平均で20%以上」を謳っている(詳細は、https://www.terumo.co.jp/investors/を参照)。
テルモは1921年に千円札の顔としても馴染みの「日本近代医学の父」と称される、北里柴三郎氏などが発起人になり「赤線検温器(株)」として設立された。100年企業。
体温計企業として産声を上げたが体温計は現時点で商品群の1%未満の割合。現在は幅広い事業領域でグローバル企業として注目されている。
「日本初・世界初」の冠がつく商品が目立つ。具体的には「日本初のディスポーザブル(単回使用使い捨て)注射器・輸血バッグ」「世界初の多孔質フォローファイバー(中空系)型人工肺、世界一細いインスリン用注射針」etc。
市場シェアの高い商品も多い。「カテーテル治療用ガイドワイヤ」「心臓外科手術で使用する人工肺」「献血で使われる成分システム」「点滴関連のシリンジポンプ・輸血ポンプ・注射器・点滴チューブ」「血糖測定器」etcが該当する。
テルモの事業史は「体温計の時代」「ディスポーザブル商品の業容拡大期」「心臓治療領域への参入」「グローバル企業へ」と、される。
着目したいのは「グローバル企業」の展開。『米国3M社から人工心肺事業譲受/人工血管の英国製販会社テルモグループ入り/脳血管治療デバイスの米製販会社がテルモグループ入り/血液・細胞テクノロジー分野の世界的な米国企業がテルモグループ入り』をはじめ、10余社の海外企業のM&Aを実現している。テルモの100社に及ぶ連結子会社の9割超が海外企業。
ちなみにテルモは「介護用品」でも裾野を拡げている(失禁用品・排泄介助用品/移動・歩行支援用品/介護食/入浴介助用品/床ずれ予防用品/口腔ケア用品/点字用品等々)。
本稿作成中の2750円水準、予想税引き後配当利回り0.9%弱。年初来の株価動向は1月の高値:3122円から7月の安値2352円まで下押しした後の自律反発基調。IFIS目標平均株価3293円がメドになろうか・・・。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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