三菱電機、自動運転向け3次元地図計測装置を発売 したたかな戦略か

2018年10月9日 21:31

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MMS-G外観とMMSで取得される3次元レーザー点群(写真:三菱電機の発表資料より)

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 三菱電機は9日、自動運転に用いる3次元地図作成に活用される高精度3次元移動計測装置(三菱モービルマッピングシステム:MMS-G)を12月25日に発売すると発表した。

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 自動運転に必須な技術は何か。自動車の眼となるセンシング技術、センシング情報から周辺情報を把握し自動車を制御する人工知能(AI)、現在走行している位置を正確に把握する次世代のGPS技術、そして高精度な3次元地図だ。

 三菱重工とJAXAは2017年10月、みちびき4号機(準天頂衛星)の打ち上げに成功。数センチメートル級の測位精度を実現する日本版GPS衛星が配備され、実用化に向けた技術・実証実験がスタートした。トップランナーの三菱電機は、準天頂衛星システムからのセンチメータレベルの測位信号を受信する端末を発表。これが、全地球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)だ。

 数センチメートル級の測位精度を保つには、8機以上の衛星端末が必要であり、日本版GPS以外にも世界各国が、衛星を確保する計画だ。例えば、日本は米国のGPSと準天頂衛星とを協調させて、8機の衛星端末としている。GNSS端末、もしくは同等な端末は、全ての自動運転車に搭載される。数センチメートルの誤差という精度が自動運転の安全の担保である一方、その端末の競争は熾烈だ。

 他方、自動運転の要のもう一つは高精度な3次元地図だ。自動運転車はこの3次元地図を頼りに、GNSS端末から得られる現在位置と周囲の状況の認識し、自動車を制御する。全ての自動運転車はこの高精度な3次元地図を必要とするが、必要な技術は数センチメータ級のGNSS端末だ。

 MMS-Gは、この3次元地図を作成するのに必須な3次元移動計測装置だ。高精度な3次元地図を作成したのに使用された端末との訴求点は、GNSS端末販売の戦略の要であろう。今回発売するMMS-Gは、16日から18日までドイツ フランクフルトで開催される「INTERGEO」に出展される。

●MMS-Gの特長

 GNSSアンテナを3本から1本に集約。従来品に比べて、約50%の軽量化と小型化を実現した。夜間計測やトンネル内計測は従来品と同じ性能だ。

 MMS-Gは専用車両が不要。自動車、鉄道、船舶や台車などに搭載可能だ。高精度な3次元地図を必要とする基盤技術は自動運転だけではない。専用車両を必要としないことは、より多くの適用分野を生みだす。

●3次元地図(三菱電機、MMS-G)のテクノロジー

 衛星端末からの信号受信技術が海外市場への展開へと向かわせる。測量やインフラ管理の需要が見込まれる欧州・北米・アジア・オセアニア。高精度3次元地図作成の技術基盤を制するかを注視したい。(記事:小池豊・記事一覧を見る

関連キーワード自動運転人工知能(AI)宇宙航空研究開発機構(JAXA)三菱電機みちびき

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