不祥事の続報が絶えない「スルガ銀行」、満身創痍の果てに何がある?

2018年8月16日 21:13

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 スルガ銀行に関する報道が徐々にキナ臭さを増している。9日には審査基準を事前に販売会社に漏らしていたことが報じられた。借入希望者の審査関係書類を、審査条件に合わせて改ざんしようと待ち受けている販売会社に、基準を漏洩することは“出来レース”を可能にする不当な所業だ。銀行に勤務する職員が主導したということは、銀行に対する明確な背信行為である。これだけでも、スルガ銀行のタガは相当ゆるゆるだったという認識を広めた。

【こちらも】スルガ銀行への第三者委員会報告書はどうなる?行政処分は?刻々と近づく断罪の日

 ところが、10日に明らかになったのは、問題があると看做されたA不動産の持ち込み案件は、融資の対象外とするとした当時の副社長の指示を無視する行為があったことだ。B支店長はA不動産の案件を、ダミーとして設立されたC社の案件と見せかける工作をしていたと伝えられる。更にC社の案件も本当はA社のものであることが見抜かれると、新たにD社やE社を設立してシェアハウス関連融資を継続したという。スルガ銀行でガバナンスを問題にすることは空しい。組織の規律を守るという土壌がもともとなかったと言わざるを得ない。

 5月15日の米山社長の会見では、「増収増益を続けるプレッシャーが不適切な形で業務に影響を及ぼし、不正な行為であることも相当数の行員が認識していた」と相当きれいに表現していた。実態は副社長の指示にも馬耳東風で、悪びれることなく再三再四に渡って銀行を欺く明らかな背信行為が繰り返されていたのだ。

 こうなると、ノルマをこなすために無理を重ねたというよりは、不動産会社が水増ししていた物件価格の上前を撥ねていたのではないか、という疑念すら湧いてくる。金融機関を舞台にした犯罪は今まで色々なタイプが摘発されてきたが、ここまで銀行をコケにした事例は前例を見ない。

 スルガ銀行ではさらに、顧客の預金を着服して不正に貸出に充当するという「浮き貸し」と思われる事例や、反社会的勢力との禁じられた融資取引を行っていたとする事例の続報が続く。スルガ銀行は業績が絶好調で「地銀の雄」と讃えられていた時期から、不正・不当な取り扱いを指摘する声がネットに少なくなかったものの、真偽が不明確なままであり、ネット空間の一部でささやかれる程度の扱いだった。今後の進展によっては、「スルガ銀行の闇」は大手マスコミがこぞって取り上げるテーマになりかねない。

 スルガ銀行の株価は15日の終値で776円となり、年初来安値を記録した。年初来高値が2569円のため、半年少々の間に資産価値は概ね3分の1になるほどに毀損した。この先、第三者委員会の報告書が公表され、金融庁が下す行政処分の内容によっては、まだ底が見えない状況にあると言っていいだろう。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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