ウーバーは何故、バフェット氏でなく孫氏を選んだのか

2018年6月15日 21:57

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 事の発端は5月最終週の米国メディアの、「ウォーレン・バフェット氏は実は1月にウーバー(自動車配車用サイト、アプリを展開)に30億ドルの出資を持ち掛けたが、合意に至らなかった」とする相次ぐ報道だった。周知のとおりバフェット氏は世界的に知られた投資家である。

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 1月にはソフトバンクグループ(SBG)の総帥:孫正義氏が手掛けるSVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)が、ウーバーの株式を約1,500億円で取得し25%の筆頭株主の座についている。直後の1月末にウーバーのCEOのダラ・コスロシャ氏は「2019年後半のIPO(新規上場)を目指す」考えを明らかにした。事実ならSVFは多額のキャピタルゲインを得ることになる。

 だがこの時は、「近未来」とはいえ仮定の話。SBG/SVFの存在をあらためて認識される範囲でことはとどまった。

 SVFは「AI、IoT、スマートロボット」の3分野への投資を掲げた投資ファンド。そんなSVFの存在感を改めて世界に知らしめたのは5月31日のニューヨーク株式市場だった。ダウ工業株30種平均は251ドル安と大幅に反落した。トランプ政権がEU・カナダ・メキシコから輸入する鉄鋼・アルミへの関税発動の発表が引き金だった。

 しかし痛手を被るはずの自動車大手のGM(ゼネラル・モーターズ)の株価はこの日、逆行高(31日の終値は前日比12・9%高)した。何故か。この日GMは「SVFから約2,400億円の出資の受け入れ」を発表し、19年に市場投入を目指す「自動運転車」の開発に弾みがつくとしたのである。自動運転車はまさにSVFが投資対象とする「AI、IoT」と深く関わる分野の代表格。GMのメアリー・バーラCEO「SBGは我々が目指す自動運転車で力強いパートナーとなる」とするコメントまで発表した。

 だがある外資系証券の投資調査部門長は「SBGは、あまり調子に乗るべきではない」とし、ウーバーへの投資のバフェット氏対孫氏の「勝敗」について「投資金額がウーバーにとりSVFの提示が上場に備える意味で有効だった点もあろうが、双方を大株主とした場合の重荷度合いからいうと明らかにバフェット氏の方が厳しいという判断がウーバーにあったとみるべきだ」とした。

 孫氏は今年8月で還暦。「バフェット氏(87歳)を尊敬している」とする。が孫氏に「時の勢いは肝心。しかし乗り過ぎはケガの元」という自身から聞いた言葉をお返ししておく。(千葉明)

関連キーワードソフトバンクロボット自動運転ウーバーIoT(Internet of Things)ウォーレン・バフェット孫正義

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