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東レ、アメリカ最大規模の下水処理場向けにろ過膜を受注
上水道用途で活躍するトレフィル。(画像:東レ発表資料より)[写真拡大]
東レは、米国カリフォルニア州サンディエゴ市に開設される同国最大規模の下水飲料水化施設向けに、中空糸限外ろ過(UF)膜トレフィルを受注したと発表した。
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同施設において処理される水量は一日あたり約15万立方メートル。稼働開始が2021年を予定しているので、それに合わせ、2019年頃からトレフィルの出荷を開始する計画だ。
日本でどれくらい知られているかはさておき、現在カリフォルニア州などアメリカの一部の州では水不足が深刻であるらしい。原因は、気温の上昇、地下水の枯渇、そして同地域における最大級の水源であったコロラド川の減水にあるらしいが、ともかく、そういった事情で、海水淡水化であるとか、下水の再処理であるとか、そういった受容が高まっているのである。
そういった事情のもとサンディエゴの処理施設も造られるわけであるが、下水からの飲料水化には技術的に難しい部分も少なからず存在するので、法整備から始まる複雑な計画が存在したとのことである。
さて、下水を飲料水に再生するには、衛生面の確保がもっとも難しくそして重大な問題となる。オゾン処理・活性炭処理・逆浸透(RO)膜処理・紫外線殺菌などの方法があるが、これらはどれか一つを実施すればいのではなく全部やらなければならない。それだけ多重の処理を行って初めて下水が飲料水に再活用し得るのである。
東レはこれまでアメリカにおいて、カナダのH2Oイノベーション社と共同で、大型装置による下水淡水化のパイロットテスト検証を進めてきた。その結果として、UF膜トレフィルの運転性と耐久性が高く評価されたことが、今回の受注に繋がったという。
なお、東レは今後もトレフィルの大型案件受注を進めるとともに、既に世界トップクラスのシェアを持つ逆浸透(RO)膜ロメンブラ(R)や下水・廃水用途のMBR(膜分離活性汚泥法)用途でも受注を重ねていきたいという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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