ドル堅調の中でどこまで上値を試せるのかに注目 10月4週目のドル円

2017年10月21日 11:28

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 10月3週目が終了した。中国共産党大会も問題なく進行しており、今のところ懸念していたような北朝鮮の挑発行為は見られない。米国と北朝鮮の外交官がモスクワで会談する可能性についても報道されており、地政学リスクは後退してきた。

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 米国で注目を集めているトランプ大統領の大規模税制改革だが、こちらは上院で予算決議案が可決され実現に近づいてきている。その期待感もあってダウ工業株30種平均は連日の過去最高値を更新している。もちろん背景には10年債利回りの上昇もある。

 金融政策に関してはFRB議長に誰が選ばれるのかにも注目が集まっている。10月21日1:00(すべて日本時間で表示)ごろにイエレンFRB議長がホワイトハウスを訪れることが報道されると、ドル売りが強まり、1ドル113円57銭から113円26銭まで下げる瞬間があった。こちらはトランプ大統領とは会見せずに、コーンNEC委員長との会談で終了し、市場も落ち着きを取り戻した。トランプ大統領は3:00ごろにテイラー教授とパウエルFRB理事の2人が有能だとコメント。ホワイトハウス報道官も2人の名前をあげており、どちらかで決まるような様相だ。こちらは10月4週目にも発表されるとみられている。現状の相場はすでに織り込み済みと考えていいだろう。

 ドルは堅調で20日6:00ごろには1ドル112円36銭をつけていたが、17:00ごろまでにかけて1ドル113円47銭まで伸ばした。売りの反発もあったが、23:00には9月の中古住宅販売件数が発表され、事前予想の530万戸を上回る539万戸であったことでドル買いの材料が増え、日付の変わった21日0:40ごろには1ドル113円57銭をつけている。最終的に利益確定の売りの圧力がありながらも1ドル113円51銭でクローズした。

 10月4週目には第2四半期のGDP速報値の発表が控えている。大型ハリケーンの影響で厳しい結果となりそうだが、その復興特需で第3四半期のGDPは大幅に反発が見込まれる。1ドル114円台には戻り売りや利食い売りが待ち受けているが、果たしてドルはどこまで上値をつけられるのだろうか。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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