資産運用で注目される外貨預金 利用は1割に留まる

2017年7月11日 08:18

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記事提供元:エコノミックニュース

現在では外貨預金に注目する人々が減ってきている。

現在では外貨預金に注目する人々が減ってきている。[写真拡大]

 2017年5月1日から5月5日にかけて実施されたアンケート調査により、外貨預金の利用経験者は2割と言う結果が出ている。

【こちらも】外貨預金の利用者、実際はどれくらいいるの?

 2割のうち過去は利用していたが現在は利用していないと言う方が半分ほどを占めている。つまり現在外貨預金を利用している方は1割ほどなのだ。過去のアンケート調査と比較すると徐々に現在利用している方の割合が減ってきている。逆に過去に利用していた人の割合は徐々に増えてきている。

 現在の日本では超低金利が続いている。銀行の10年定期預金に預けてもあまり増えない状況だ。海外には日本より金利が高い国がたくさんある。外貨預金で高金利が期待できるとして良く知られているのが豪ドルだ。豪州の政策金利は17年5月の時点で1.5%となっている。日本と比較すると高金利となっているが、08年の豪ドルと比較すると低水準の金利となっている。

 08年の豪州では政策金利7%以上もあったのだ。リーマンショック以降から政策金利が下がりだし、7%台から1.5%へと落ちてしまった。豪州だけじゃなく他の海外国でも同様だ。外貨預金には国内の定期預金には無い為替変動リスクがある。

 外貨預金を組んでから円安になると為替差益が期待できるが、円高になると為替差損となってしまう。現在はそれ程高金利とは言えない外貨預金でありながら、為替変動リスクも背負うことになる。

 FXにはスワップポイントと言う仕組みがあり、政策金利の動向によって受け取りできるスワップポイントは変動する。しかし外貨預金の場合は満期まで変動することは無い。外貨預金はペイオフの対象外と言うこともあり長期間預けるには不安がある。このような理由から外貨預金は今のところ適切なタイミングではないと人々が考えているようだ。

 ただし政策金利の引き下げは多くの国で止まっており、最近では引き上げに転じている国が見られるようになった。今後各国の景気が上向きになればさらに政策金利の引き上げが予測される。そうなればまた外貨預金に注目する人々が増えるだろう。(編集:久保田雄城)

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