ヤンマー、農業ソフト開発販売のソリマチと業務提携 農業経営を見える化

2013年7月9日 12:48

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業務提携のイメージ(画像:ヤンマー)

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 農業機械製造販売大手のヤンマーは8日、農業ソフト開発販売のソリマチ株式会社と、農業におけるICTサービスの提供について業務提携すると発表した。

 今回の協業により、まずはヤンマーが提供する農業機械の稼動情報管理システム「スマートアシストリモート」と、ソリマチが提供する農業クラウドサービス「フェースファーム生産履歴」を連携させ、農業経営の見える化、効率化に役立つサービスの提供を開始する。

 ヤンマーの「スマートアシスト」は、農業機械一台ごとの位置情報、稼動状況、マシンコンディションなどのデータをリアルタイムかつ正確に把握し、機械の状態を見える化することで、より効率的な機械作業を実現する遠隔管理サービス。ヤンマーの農業機械(トラクター、コンバイン)に搭載されたGPSと通信端末から位置情報や稼動機情報を遠隔管理センターに送り、稼働状況やコンディションを常に把握し、万一のトラブル発生時の迅速対応に加え、無駄のないメンテナンスの提案や様々な稼働分析データを提供する。

 一方、ソリマチの「フェースファーム生産履歴」はクラウドを活用した農業生産履歴システムであり、パソコンやタブレット端末、スマートフォンからも毎日の農作業を入力し、栽培実績データの記録、圃場ごとの生産性分析、次年度の栽培計画などが簡単に行えるシステム。また、グーグルマップ航空写真から自分の水田・畑を指定して栽培実績を入力することもできる。

 「スマートアシスト」が得意とするのは農業機械のコンディション管理、「フェースファーム生産履歴」が得意とするのは生産履歴の記録。今回、ヤンマーとソリマチの2つのシステムの融合により、農作業の見える化がより一層可能となる。いつどこでどんな作業をしたか、農業機械から生産履歴システムに毎日データを転送し、自動記録されるため、農業者が手入力する手間を軽減できる画期的な仕組みとなる。

 今後両社は、農業生産性の見える化、農業経営の見える化を目指す。具体的には、農業生産のインプット(燃料、肥料など)・アウトプット(収穫量など)のデータを連携し、農業生産のバラツキやコストの無駄を低減できるシステムへと進化させていく。さらには、コストだけでなく品質まで含んだ農業経営に対して的確な意思決定ができる情報を提供し、顧客の農業経営を支援できるシステムを目指す。

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