「パーシー・ジャクソン」シーズン3、11月20日配信 『タイタンの呪い』と星空・ロボット研究の接点

2026年11月4日 15:10

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記事提供元:Tech Times

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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』シーズン3の新予告編が公開された。日本では2026年11月20日17時からディズニープラスで独占配信され、初回は第1話と第2話が登場する。リック・リオーダンの小説『タイタンの呪い』を初めて映像化するシーズンだ。

天空を背負うアトラス、星空に名を残す姉妹、クレタ島を守る青銅の巨人。物語を支える神話には、天文学の歴史や現代のロボット研究と重ねて楽しめる要素がある。人物の運命や道具の働きに目を向けると、冒険を読み解く手掛かりが広がる。

■アナベス救出とオリンポスの運命

新予告編は、配信開始の18日前に当たる米国時間11月2日に公開された。予告編の中でパーシーは、神々とタイタンの戦争が迫っているとして、生き残るために力を合わせようと呼び掛ける。

ディズニーの公式紹介によると、クロノスの勢力に捕らわれたアナベスを救うため、パーシーは危険な旅へ出発する。グローバーや新たな仲間と協力し、鎖につながれた女神を解放するとともに、タイタンの呪いとオリンポスの未来を左右する予言に向き合う。

原作は、最初の全5巻のシリーズの第3巻に当たる『タイタンの呪い』だ。2010年に始まった映画シリーズは第2巻までの映像化にとどまり、この巻の物語が実写で描かれるのは今回が初めてとなる。

背景にあるのは、クロノスを中心とするタイタン側とオリンポスの神々との対立である。ゼウス、ポセイドン、ハデスという「三大神」の子の一人が、16歳を迎えるころにオリンポスの命運を決めるという大いなる予言が、若い半神たちの選択に影を落とす。

■新たな神々と半神たち

パーシー役のウォーカー・スコベル、アナベス役のリア・サヴァ・ジェフリーズ、グローバー役のアーリアン・シムハドリが続投する。ルーク・キャステラン役のチャーリー・ブッシュネル、ゼウスの娘タリア・グレース役のタマラ・スマートも再登場する。

アルテミスを演じるのは、『LOGAN/ローガン』でローラ/X-23役を務めたダフネ・キーンだ。サーラ・チョードリーは、アルテミスに仕える不死の狩人たちの副隊長、ゾーイ・ナイトシェードを演じる。原作では、恋愛を断つ誓いと引き換えに不老となる狩人たちへの加入が、登場人物の生き方を左右する。

ニコ・ディ・アンジェロ役にはレヴィ・クリソプロス、姉ビアンカ役にはオリーヴ・アバクロンビーが加わる。原作でハデスの子であるこの姉弟は、新たな家族関係と葛藤を物語に持ち込む。ビアンカが狩人たちに加わる決断と、死者に関わる力を持つニコの登場は、その後のシリーズにもつながっていく。

アトラス役は、『マインドハンター』『ファイト・クラブ』のホルト・マッキャラニーが担う。TV Insiderが紹介した役柄説明では、天空を支える罰から解放されたアトラスは、復讐のためクロノスの軍勢を率いようとする。デヴィッド・コスタビルが演じるソーン先生は、原作ではマンティコアが人間の教師に姿を変えた存在だ。

神々の顔ぶれも広がる。アフロディーテ役にケイト・マッキノン、ヘラ役にミン・ナ・ウェン、デメテル役にジェニファー・ビールス、アポロン役にヒューバート・スミレツキが加わる。アテナ役のアンドラ・デイも登場し、アルテミスと双子のアポロンを含むオリンポスの神々が物語に関わる。

■天空を背負うアトラスと天文学

アトラスが支えるのは天空である。原作では、その重荷を別の者が引き受けられることが、救出劇の重要な仕掛けになる。大きな力を持つ存在でさえ重荷に拘束されるという設定が、戦う強さと耐え続ける強さを際立たせる。

星空を理解するための道具として、天文学には「天球」という考え方がある。日本天文学会の天文学辞典では、観測者を中心として、天体が貼り付いているかのように見える仮想的な球面と説明される。天体の見える方向や位置関係を球面上で表すモデルだ。

アトラスと天文学を結び付ける解釈は古代にもあった。紀元前1世紀の歴史家ディオドロス・シケリアは、アトラスが天文学に通じ、天球についての知識を人々に伝えたため、天空を肩で支えるという物語が生まれたと記している。神話を知識の担い手の姿として読む、古代の解釈の一例である。

その結び付きを目に見える形で示すのが、ナポリ国立考古学博物館所蔵のローマ時代、2世紀の大理石像「ファルネーゼのアトラス」だ。肩に載せた天球には星座や黄道、天の赤道などが表現されている。ブラッドリー・シェーファーは2005年の研究で41星座を数え、その配置が紀元前125年ごろの空を反映し、ヒッパルコスの星表に由来するとの説を示した。フロリダ州立大学のデニス・デュークは翌年、年代推定や比較方法に異論を示している。

アトラスの名は、知識や身体を表す言葉にも残る。ニューサウスウェールズ州立図書館によると、メルカトルの死後1595年に刊行された地図集の「Atlas」は、天文学者とされた伝説上のマウレタニア王アトラスにちなむ。また、頭蓋骨を支える第1頸椎は、日本語で環椎、英語でatlasと呼ばれる。天空を支える姿は、さまざまな時代の人々に共有されてきたイメージでもある。

■ゾーイの血筋から「すばる」へ

リオーダンの公式人物紹介では、ゾーイはアトラスの娘で、もとはヘスペリデスの一人とされる。小説では母親をプレイオネと語る。アトラスとプレイオネは、ギリシャ神話でプレアデスの七姉妹の両親でもあり、ゾーイの背景から実際の星空へと連想がつながる。

プレアデス星団(M45)は、日本では「すばる」と呼ばれる、おうし座の散開星団だ。アイザック・ニュートン望遠鏡群の紹介では、地球からの距離は約444光年とされる。1000個以上の恒星を含み、肉眼で見える星の数は観測条件や視力によって変わる。国立科学博物館は、肉眼では6個ほどの星が見えると説明している。

星団の星には、神話の七姉妹に由来するアルキュオネー、マイア、アステロペー、メロペー、タイゲテー、ケライノー、エレクトラという名がある。アトラスとプレイオネの名も星に付けられており、星団は神話上の家族の名前をとどめている。

理科年表の解説は、プレアデス星団の年齢を約1億3000万年と見積もる。アイザック・ニュートン望遠鏡群は、周囲の星々との重力相互作用により、今後約2億5000万年でまとまりを失うとの見積もりも紹介している。人間にとって身近な星の集まりにも、誕生と変化の長い歴史がある。

古代の人々にとって、プレアデスの見え方は暮らしの暦にもなった。ヘシオドスの『仕事と日々』は、その出現を収穫の、沈む時期を耕作の目印とし、秋に沈むころには船を陸へ引き上げるよう勧める。小説でゾーイが星座として記念される展開には、人物の物語を星空に残す古代神話の発想が重なる。星の名と季節の知識は、同じ空を見上げる行為の中で受け継がれてきた。

■オピオタウロスが問い掛ける保護と脅威

原作でパーシーが「ベッシー」と名付けるオピオタウロスは、前半身が牛、後半身が蛇の姿をした生き物だ。その内臓を焼いた者は神々を倒す力を得るとされ、クロノス側の計画に関わる。一方、パーシーにとっては、自ら助けた守るべき存在でもある。

この怪物に対応する古代の記述は、オウィディウスの『祭暦』第3巻に残る。大地から生まれた牛と蛇の姿を持つ怪物について、内臓を焼けば神々を打ち負かせるという神託が語られる。ブリアレオスが怪物を殺して内臓を火に投じようとすると、ユピテルが鳥たちに命じて奪わせ、トビがそれを運んだとされる。

小説では、グローバーがベッシーの言葉を理解し、安全な場所へ連れていく役割を担う。破壊力を恐れる側と、生き物として接する側の視点の違いが、怪物をめぐる判断に厚みを与える。どのような力を秘めているかという問いと、その存在をどう扱うかという問いが、ここでは重なっている。

■青銅の巨人タロスとロボット研究

予告編には、青銅の巨人タロスを基にした自動人形の試作機も登場する。映画メディアJoBloによると、舞台となるのは「神々の廃品置き場」だ。神話の守護者を、捨てられた機械との遭遇へ置き換える発想が、新シーズンの冒険に加わる。

古代のタロスには複数の伝承がある。アポロニオス・ロディオスの『アルゴナウティカ』では、クレタ島を1日3回巡回し、近づく船に岩を投げる青銅の存在として描かれる。足首には薄い皮膚で覆われた血管があり、メデイアに惑わされて足を傷つけると、生命を支える液体が流れ出す。

一方、偽アポロドロスの『ビブリオテーケー』には、首から足首へ通る一本の血管を青銅の留め具で閉じた姿が記される。メデイアが不死にすると約束して留め具を抜くという異伝もある。身体の一部の損傷が全体の停止につながる構造は、現代の工学でいう単一障害点を考える手掛かりになる。

流体が身体の働きを支えるというイメージを重ねられる研究もある。ペンシルベニア大学とコーネル大学の研究チームは2019年、エネルギーを蓄える液体を油圧による運動にも使う魚型ロボットを発表した。液体から取り出した電力でポンプを動かし、同じ液体を循環させてひれを動かす仕組みだ。機体内の流体に複数の役割を持たせる発想が、青銅の身体を巡る液体という描写を楽しむ補助線になる。

古代の機械への関心を伝える逸話としては、アルキュタスの木製の鳩もある。ローマの著述家アウルス・ゲッリウスは、重りで釣り合いを取り、内部に隠した空気の流れで動く鳩を作ったという伝承を記録した。生き物に似たものを人工的に動かすという関心は、神話と機械の歴史を見渡す上でも興味深いテーマだ。

■予言の解釈と予測の難しさ

大いなる予言が生む緊張は、告げられた言葉を登場人物がどう解釈し、何を選ぶかにある。オリンポスを救うか滅ぼすかという大きな結末が示される一方、そこへ至る出来事の意味は、物語が進む中で変わっていく。

古代デルフォイでは、巫女ピュティアがアポロンの神託を伝えた。紀元前8世紀ごろから紀元4世紀末に至る長い歴史を持つ神託所である。ヘロドトスの『歴史』に登場するリュディア王クロイソスの逸話では、ペルシアを攻めれば大きな国を滅ぼすという神託を受け、結果として自らの国を失う。言葉の解釈が行動と結末を左右する物語として読める。

デルフォイの地質を調べたデ・ブールらは2001年、断層や泉の分析を基に、エチレンを含む炭化水素の放出が巫女の状態に影響した可能性を提案した。その後も別のガスや地震活動に注目する研究が発表され、神託をめぐる古代の記録は地質学や地球化学からも研究されている。

予測の難しさを考える現代の補助線には、決定論的カオスがある。エドワード・ローレンツは1963年、大気の対流を簡略化した非線形の方程式を調べ、わずかに異なる初期状態から大きく異なる状態へ発展する例を示した。初期状態を測る際の小さな誤差が時間とともに増幅されるため、長期予測が難しくなるという構造である。

限られた手掛かりから先を見通し、行動を選ぶという点は、予言に向き合う登場人物を考える手掛かりになる。パーシーたちにとって重要なのは、言葉から何を読み取り、仲間のためにどんな決断を下すかだ。星空や機械、予測をめぐる知識は、そうした人物の選択や神話の表現を味わう視点を増やしてくれる。

■全8話、初回は11月20日17時

日本向けの公式案内では、11月20日17時に第1話と第2話を配信し、その後は毎週金曜日に新エピソードを追加する。米国向けの公式案内では全8話を毎週2話ずつ公開し、12月11日に最終回を迎える予定だ。米国ではディズニープラスとHuluで配信される。

WDW News Todayが公式SNSの発表を基に報じた各話の英語タイトルは、11月20日配信分が「My Rescue Operation Goes Very Wrong」「An Old Dead Friend Comes to Visit」、11月27日分が「I Learn How to Grow Zombies」「We Visit the Junkyard of the Gods」となる。

12月4日分は「I Have a Dam Problem」「I Wrestle Santa’s Evil Twin」、12月11日分は「I Put on a Few Million Extra Pounds」「The Gods Vote How to Kill Us」だ。自らの災難を一人称で語る題名には、原作小説のユーモアが表れている。

シーズン1と2はディズニープラスで配信中だ。シリーズの共同クリエイターはリック・リオーダンとジョナサン・E・スタインバーグで、20th Televisionが製作する。

元記事: ‘Percy Jackson’ Season 3 Trailer: Greek Mythology Encoded Astronomy, Robotics, and Chaos Theory

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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