日産、新型小型EV「ピクソ」発表 航続距離259km、欧州で2027年初頭に納車開始へ

2026年9月25日 15:27

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記事提供元:Tech Times

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日産自動車は9月23日、欧州向けの新型小型電気自動車(EV)「ピクソ(PIXO)」を発表した。27.5kWhのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーを搭載し、WLTPモードで最大259kmの航続距離を確保する。英国での開始価格は約1万8000ポンドと報じられているが、日産は正式な車両価格や仕様詳細を12月以降に発表する方針で、顧客への納車は2027年初頭から始まる予定だ。

■都市部での利用を想定したLFPバッテリー

ピクソは、日産が欧州のAセグメントと呼ばれる小型車市場に投入する新型EVである。欧州で販売するEVのラインアップでは「マイクラ」の下に位置し、都市部での日常的な移動を想定して開発された。搭載する27.5kWhのLFPバッテリーは、欧州向けの日産車として初めて採用する電池方式となる。

LFPバッテリーは、正極材料にリン酸鉄リチウムを使用するリチウムイオン電池の一種だ。ニッケルやコバルトを使用する三元系リチウムイオン電池と比較して、一般にエネルギー密度は低いものの、材料コストを抑えやすく、熱安定性や充放電を繰り返した際の耐久性に優れるという特徴がある。こうした特性は、比較的小容量のバッテリーを搭載し、日常的な移動と充電を繰り返す小型EVに適している。

低温環境での性能も、使用時に考慮すべき特性の一つだ。LFPバッテリーは低温時に出力や充電性能が制限されやすく、暖房の使用などもEVの実際の航続距離に影響する。日産が公表した最大259kmという数値は、認証取得前の社内測定によるWLTPモードの参考値であり、冬季を含む実際の走行距離を保証するものではない。

■最大50kWの急速充電に対応

ピクソは最大50kWの直流(DC)急速充電に対応し、日産の発表によると、バッテリー残量15%から80%まで約28分で充電できる。交流(AC)による普通充電は最大11kWに対応し、全グレードに標準装備される。充電時間は電池の温度や残量、充電設備の出力などによって変動する。

モーターの最高出力は60kWで、普通充電には外部機器へ電力を供給できるV2L機能も備える。運転支援技術として、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープシステム、アクセルペダルの操作によって加減速を行うe-Pedalを採用した。

車体寸法は全長3796mm、全幅1790mm、全高1512mm、ホイールベース2492mm。最小回転直径は9.9mで、日産は欧州の都市部における取り回しの良さと室内空間の確保を両立させたとしている。独立して前後にスライドできる後席を備え、荷室容量は通常時356L、後席格納時には最大1221Lとなる。

車内には7インチの運転席用ディスプレイと10インチのタッチスクリーンを搭載する。Google built-inを採用し、生成AI「Gemini」による音声操作やナビゲーションなどの機能に対応するほか、MyNissanアプリを通じて充電や車両機能を管理できる。顔認識技術「Face ID」によって運転者を識別し、個人設定を自動的に呼び出す機能も用意される。

■ルノーとの共同開発で生産コストを抑制

ピクソは、日産とルノーのパートナーシップを活用して開発された。日産が車両デザインを担当し、スロベニアにあるルノーのノボ・メスト工場で生産する。ルノーの小型EV「トゥインゴ E-Techエレクトリック」やダチアの新型「スプリング」と、開発基盤や生産設備を共有することで、車両開発と製造の効率化を図る。

ルノーの小型EV向けプラットフォーム「RGEV Small」は、従来「AmpR Small」と呼ばれていたEV専用車台の系統に位置付けられる。ルノー5 E-Techエレクトリック、ルノー4 E-Techエレクトリック、アルピーヌA290などにも活用されており、車種に応じてホイールベースやトレッド幅を調整できる設計を特徴とする。

トゥインゴと新型スプリングも27.5kWhのLFPバッテリーと最高出力60kWのモーターを採用する。複数ブランドが車両の基本構造や主要部品を共用することで、開発費や部品調達費を分担できる一方、各ブランドには外観や内装、装備などによる差別化が求められる。

ピクソの外観には、日産独自のデザインが取り入れられた。角張った車体のシルエットに加え、ピクセルをモチーフにした灯火類や特徴的なフロントマスクを採用する。車体各部には日本語の「ニッサン」を数字の「23」で表現した意匠も隠されており、共通の車両基盤を使いながら独自の個性を打ち出している。

■トゥインゴ、スプリングとの価格競争

ピクソの英国での開始価格について、自動車専門メディアのAutocarは約1万8000ポンドになるとの見通しを伝えている。ただし、日産は9月23日時点で正式価格を公表しておらず、グレード別の価格や装備、補助金の適用可否などは確定していない。

競合する新型ダチア・スプリングは、欧州で2万ユーロ未満の価格帯に設定される。27.5kWhのLFPバッテリーと60kWモーターを採用し、スロベニアで生産する点でもピクソと共通する。ルノーの新型トゥインゴも同じ小型EV市場を対象としており、3車種の価格や装備の違いが購入者の選択に影響するとみられる。

ピクソは最大50kWの急速充電と11kWの普通充電を全グレードに標準装備する点も特徴だ。日産独自の外観デザインに加え、Googleの車載サービスや運転支援機能、室内の使い勝手などを組み合わせ、共通基盤を採用する他ブランドの小型EVとの差別化を図る。

■車名を復活させ、欧州EVラインアップを拡充

「ピクソ」の車名は、日産が2009年から2013年にかけて欧州で販売した小型車に使用していた。当時のモデルは、インドで生産されたスズキ・アルトをベースとするガソリン車だった。今回の新型車は、その名称を引き継ぎながら、都市向けの電気自動車として新たに投入される。

ルノーも、過去に使用していた「ルノー5」「ルノー4」「トゥインゴ」の車名を新型EVに採用している。ピクソは、こうした既存の車名を新世代の電動車に活用する動きに加わる形となる。

日産はルノーとの協業を通じ、欧州向けEVのラインアップを拡充している。ルノー5をベースとする新型マイクラに続き、ピクソを投入することで、より小型で価格を抑えた車種まで選択肢を広げる。新型リーフやマイクラとともに、都市部の日常利用からより長距離の移動まで、異なる用途に対応するEVをそろえる方針だ。

ピクソの車両価格、グレード構成、販売市場ごとの仕様、予約開始時期については、2026年12月以降に詳細が公表される予定である。日産は2027年初頭から顧客への納車を開始する計画で、正式価格と装備内容が明らかになれば、トゥインゴやスプリングとの違いがより具体的になる。

元記事: Nissan Pixo Electric City Car Debuts with Iron-Phosphate Battery, £18,000 UK Price Expected

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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