日産「エルグランド」にプロパイロット2.0、DMPの高精度3次元地図で高速道路のハンズオフを支援

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日産自動車が2026年7月16日に発売した新型「エルグランド」に、ダイナミックマッププラットフォーム(DMP)の高精度3次元地図データを利用する「プロパイロット2.0」が設定された。対象となるG e-4ORCEで選択できるメーカーオプションで、高速道路の同一車線内におけるハンズオフ走行や、ナビゲーションと連動した車線変更などを支援する。
DMPは9月15日、同社の高精度3次元地図データの採用実績が、新型エルグランドを含めて自動車メーカー6社、累計39車種に拡大したと発表した。複数メーカーが利用する共通の空間情報基盤が、各社の先進運転支援システムを支える形だ。
■高速道路の同一車線内でハンズオフに対応
プロパイロット2.0は、ナビゲーションシステムで設定したルートと連動し、高速道路での運転操作を支援するシステムである。高速道路の本線に合流してナビ連動ルート走行を開始すると、設定速度を上限として先行車との車間距離を保ち、車線中央付近を走行するようにアクセル、ブレーキ、ステアリングを制御する。
一定の条件を満たす同一車線内では、運転者がハンドルから手を離して走行できる。運転者は常に前方を確認し、道路、交通、車両の状態に応じて直ちにハンドルを操作できる状態を保つ必要がある。車内のドライバーモニターが運転者の状態を確認し、前方への注意が不足しているとシステムが判断した場合は警告する。
前方に設定速度より遅い車両がいると、システムは追い越しのための車線変更を提案する。運転者がハンドルに手を添え、車線変更支援スイッチで承認すると、周囲の状況を確認したうえで車線変更を支援する。運転者の意思で車線を変更する場合は、ハンドルに手を添えて方向指示器を操作する。
高速道路の出口に近づくとシステムが運転者に知らせ、分岐後にナビ連動ルート走行を終了する。入口から出口までの走行を幅広く支援するが、すべての区間を継続してハンズオフで走行できるわけではない。
■高精度3次元地図と車載センサーを組み合わせる
プロパイロット2.0では、高速道路の形状をセンチメートル単位の細かさでデータ化した3D高精度地図を使用する。地図には各車線の区分線、道路形状、速度標識、案内標識などの情報が収録されている。
一般的なGNSSによる測位には10~15m程度の誤差が生じることがあるため、システムは高精度な衛星測位技術と3D高精度地図を組み合わせて自車が走行している車線を特定する。さらに、カメラ、レーダー、ソナーによる周囲360度のセンシング情報を統合し、車線維持や車線変更などの運転支援に利用する。
高精度地図は、車載センサーに代わって周囲を認識するものではない。地図から得られる道路形状や車線情報と、センサーがリアルタイムで捉える車両、区画線、標識などを組み合わせることで、自車位置の推定と運転支援を行う構造である。
DMPによると、同社の地図データはプロパイロット2.0において、自車位置を高精度に推定するための空間情報として使われる。今回のエルグランドへの採用により、量産車での採用実績は6社39車種となった。
■国内メーカーが利用する共通の地図基盤
DMPは、日本政府の支援のもと、国内自動車メーカー10社などの出資によって2016年に設立された。モービルマッピングシステムで取得した点群データなどを基に、高精度3次元データを整備し、自動運転や先進運転支援システム向けに提供している。
道路の形状や車線は、工事、改良、標示の変更などによって変化する。このため、高精度地図には作成後の継続的な更新も必要になる。複数の自動車メーカーが利用できる共通基盤として整備することは、道路データの計測、生成、更新を業界横断で進める仕組みにつながる。
DMPは日本のほか、北米、欧州、中東、韓国に拠点を置き、26カ国で事業を展開している。ただし、エルグランドのプロパイロット2.0でハンズオフ走行を利用できる範囲は、日本国内の対象となる高速自動車国道と自動車専用道路である。
■プロパイロット2.0はG e-4ORCEのオプション
新型エルグランドの標準モデルには、X e-4ORCEとG e-4ORCEが用意されている。メーカー希望小売価格は、X e-4ORCEが689万7000円、G e-4ORCEが757万9000円で、いずれも消費税込みである。
プロパイロット2.0は全車標準装備ではなく、G e-4ORCEのメーカーオプションとして用意される。G e-4ORCEには、ナビゲーションと連動した速度調整、渋滞時のハンズオフ、運転者の方向指示器操作に基づく車線変更支援などに対応する「プロパイロット(ナビリンク機能付)」が標準装備される。
プロパイロット(ナビリンク機能付)のハンズオフは、先行車を検出している状態で約50km/h以下となる渋滞時など、所定の条件下で利用できる。これに対してプロパイロット2.0は、3D高精度地図を利用し、対象道路の同一車線内で通常の巡航時にもハンズオフ走行を支援するほか、追い越しをシステム側から提案する機能を備える。
プロパイロット2.0で使う3D高精度地図データの機能を利用するには、車両の購入とは別に所定の契約が必要となる。
■第3世代e-POWERと進化したe-4ORCEを採用
新型エルグランドは、1997年に登場した初代から数えて4代目となる。先代から約16年ぶりの全面刷新で、第3世代のe-POWERと、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を全車に採用した。
第3世代e-POWERは、発電に特化した1.5Lエンジン「ZR15DDTe」と、モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機を一体化した5-in-1 e-POWER電動ユニットで構成される。エンジンで発電した電力を使い、車輪はモーターだけで駆動する。
e-4ORCEは前後のモーターとブレーキを統合制御する。新型ではリヤモーターのトルクを積極的に利用する制御を取り入れ、発進や加減速時の車体の揺れを抑えるとともに、旋回時の車両挙動を整える。走行状況に応じて4輪の減衰力を変えるインテリジェント ダイナミックサスペンションも採用した。
■静粛性と長距離移動を重視した室内
デザインコンセプトは「The private MAGLEV」で、日本語では「リニアモーターカー」と説明されている。リニアなスピード感と滑らかな移動をイメージし、フロントグリルやリヤコンビネーションランプには日本の伝統工芸である組子をモチーフにした意匠を取り入れた。
室内は「特別なプライベートラウンジ」のような空間を目標に開発された。全席にゼログラビティシートを採用し、助手席と左右の2列目席では3席のオットマンを同時に使用できる。2列目席には、シートバック上部だけを動かせるデュアルリクライニング機構も備える。
日産によると、アクティブ・ノイズ・コントロールは、エンジン音に加えてロードノイズも低減する機能を世界で初めて採用した。最大64色の間接照明や、BOSEの22スピーカープレミアムサウンドシステムもグレードやオプションに応じて用意される。
■ハンズオフを利用できない条件
プロパイロット2.0は自動で運転する装置ではなく、運転者には周囲の状況を確認し、安全に運転する責任がある。側方から接近する車両など、システムが反応しない対象や状況もあるため、ハンズオフ中も必要に応じて直ちに操作しなければならない。
対面通行区間、トンネル内、急なカーブ、料金所、合流地点とその手前などでは、ハンズオフを利用できない。悪天候や滑りやすい路面、区画線を検出しにくい状況、センサーが汚れている場合などにも、機能が制限されたり適切に作動しなかったりすることがある。
ハンズオフに対応しない区間へ近づくと、システムは事前に運転者へ通知し、ハンドル操作を求める。利用可能な道路であっても、道路、交通、天候、車両の状態によって作動条件は変わるため、実際の使用時には車両の表示と取扱説明書に従う必要がある。
元記事: Nissan Elgrand Adds ProPilot 2.0: Hands-Free Highway Driving Reaches Family Minivans
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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