なぜ?NAエンジンで登場 ポルシェ・718ボクスターGTS4.0&718・ケイマンGTS4.0 (1)

2020年5月24日 06:25

718 ケイマン GT4/718 スパイダーの4リッター6気筒自然吸気ボクサーエンジン。(画像: ポルシェジャパンの発表資料より)

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 ポルシェが、自然吸気(NA)エンジンに回帰している。ダウンサイジング・ターボエンジンが主流となっている今、ポルシェ・911 GT3に続き、ポルシェ・718 ケイマン GT4/718 スパイダーでNAエンジンを装備してきた。これはどうしたことか?

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 ダウンサイジング・ターボエンジンは、排気量を削減し、フリクションを減らし、熱効率を上げて燃費をよくする試みだ。その代わりに「ターボラグ」が生じて、スポーツカーを愛するユーザーは操縦性に疑問を持つ結果となっていた。しかし最近では、数々の工夫によりターボラグが解消してきており、低回転からトルクを発揮する特性などで日常の使い勝手も向上、普及してきたところだった。

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 ターボチャージャーの歴史は古く、太平洋戦争中の話にさかのぼる。アメリカ軍のボーイング・B29に装備されていたものだ。空気の薄い1万メートル上空では、日本の戦闘機であったゼロ戦だけでなく、当時の紫電改や疾風など最新鋭戦闘機でもフラフラであった。やっとB29が飛行している高度に達して攻撃を仕掛けても、あっという間に高度を失い、再度攻撃するのにもよたよたとなかなか高度が取れないざまであったそうだ。

 B29と日本の戦闘機の性能差を表すのが、ターボチャージャー(排気タービン)であった。高空で空気が薄くてNAでは十分な空気を吸い込めないのだが、ターボチャージャーでは十分な過給を得て出力が落ちないのだ。その当時の日本の戦闘機は機械式のスーパーチャージャーしか装備しておらず、過給するにも馬力ロスが生じて、十分な出力確保に至らなかった。

 当時の日本の常識的排気方法は、短排気管で気筒ごとに直接後方に向け排気して、多少なりとも推力を得ようとの発想だった。ターボチャージャー(排気タービン)の研究は日本でも行われており、雷電という迎撃戦闘機に装備して実験が行われていた。

 排気タービンはその名の通り、排気ガスの勢いでタービンを回し、吸気コンプレッサーを回す構造になっている。そのため排気熱をまともに受けるため、金属の膨張率などを考慮した設計が必要になるのだ。そのため、当時の日本の素材技術では、耐久性など難しい問題を抱えていた。結局、戦中に開発は間に合わず装備されなかった。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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