2019年最大の満月 2月20日に 満月の大きさが違う理由は?

2019年2月18日 18:36

印刷

2019年最大の満月と最小の満月の違い。(c) 国立天文台

2019年最大の満月と最小の満月の違い。(c) 国立天文台[写真拡大]

■今年最大の満月

 2月20日の満月は2019年最大の満月となる。その前日の2月19日18時3分に月は地球に最も近づき(近地点通過)、日付が変わった2月20日0時54分に満月となる。

【こちらも】天の川銀河を公転する大マゼラン雲からプラズマの噴射を発見 欧州南天天文台

 月が最も近づくのは2月19日から20日にかけての夜であることに注意しよう。満月の瞬間の地球からの距離は約35万7千キロメートル、視直径は33分29秒角だ。最小の時(2019年は9月14日)と比べて14%大きく見える。

■月の大きさを測るには

 天体の大きさは比べるものが無いと分かりにくい。月の大きさを測るよく知られたやり方の一つに、5円玉を使う方法がある。腕をまっすぐ伸ばして5円玉を持つと、穴の直径が約5mmの5円玉と目からの距離(約55cm)は、地球から約38万5000kmの距離にある月の直径と地球との位置関係にあてはまる。つまり、腕を伸ばしたときに5円玉の穴に月がちょうど収まるのだ。同じ条件の場合、2月20日の満月は5円玉の穴より大きく見えることになる。

■月の大きさが変わる原因

 地球と月の間の距離は周期的に変化している。なぜ、このように距離が変化するのか?それは地球を周る月の公転軌道に原因がある。

 月の軌道は円形でなくだ円形をしているため、地球との距離は一定ではない。また、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて変化するため、近地点や遠地点での距離は毎回異なる。

■月接近の影響

 月が地球に接近すると、何が起こるのだろうか。月が及ぼす重力によって、地球の海水に潮汐が発生する。満月の時には、太陽、月、地球が一直線上に並ぶため、太陽と月の潮汐力が重なり、普段よりも干潮と満潮の差が大きく大潮となる。

 2月19日から20日にかけては月の距離が近いため、さらに潮汐力が強くなる。沿岸部では高潮になるかもしれない。

 月の満ち欠けは変化がはっきりしているが、同じ満月でも大きさが違うということは知らない人も多いだろう。この機会に今年最大の満月を楽しんでみるのもいいかもしれない。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

関連記事