火星探査機「オポチュニティ」、活動15年 任務終了へ

2019年2月16日 14:18

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2004年7月26日にオポチュニティが火星で撮影した写真。(c) NASA/JPL-Caltech

2004年7月26日にオポチュニティが火星で撮影した写真。(c) NASA/JPL-Caltech[写真拡大]

 13日(日本時間)、米宇宙航空局(NASA)は、火星探査機「オポチュニティ」の任務が終了したと発表した。当初の火星での任務期間は約90日間であったが、実際には15年に渡り任務を遂行していた。

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 火星探査機「オポチュニティ」は、昨年6月に火星の巨大砂嵐に巻き込まれて以来、通信が途絶えたままだった。NASAは可能性のある端末すべてに、再起動の指令を出し続けていたが、その信号が返ってくることはないまま、任務終了となった。

 オポチュニティは2003年7月に打ち上げられ、約半年後の2004年1月に火星に着陸。2002年に打ち上げられていた「スピリット」ともに、火星探査の任務にあたった。当初はそれぞれ火星では約90日間の任務を想定していたが、スピリットは2011年まで、オポチュニティは2018年まで、任務を遂行する結果となった。

 オポチュニティは任務期間中に、火星に水の痕跡や、何かしらの生物が火星表面にいた可能性がある証拠を発見した。また、「科学者が機動性の探査機を利用して、測定を実行できる」という、現在では当たり前に行われていることに、とても大きな影響を与えたといわれている。

 現在Twitter上では、オポチュニティに関わったNASAの研究者が、15年という長期任務を達成させた探査機に感謝の言葉を並べている。科学の発展に別れはつきものであるが、その寂しさが科学を進歩させるために必要であることもあるのであろう。

 火星では現在、以下の探査機が任務を遂行している。

 ・2001年打ち上げ: 2001マーズ・オデッセイ
 ・2005年打ち上げ: マーズ・リコネッサンス・オービター
 ・2011年打ち上げ: キュリオシティ
 ・2013年打ち上げ: マンガルヤーン
 ・2013年打ち上げ: メイバン
 ・2016年打ち上げ: エクソマーズ

 惜しくも通信が途絶え、任務を遂行できていない探査機もあったが、6台の探査機が火星を知るために、現在も動き続けている。オポチュニティの残してくれたものを糧に、更に火星解明へと近づけるようになるだろう。(記事:中川リナ・記事一覧を見る

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