パルシステム若者応援基金 児童養護施設で暮らす「普通の子ども」の今を報告
配信日時: 2025-12-08 11:10:21
社会全体で見守る成長
パルシステムグループが設立した、一般財団法人パルシステム若者応援基金(本部:新宿区大久保、理事長:渋澤温之)は12月3日(水)、社会的養護下の子どもたちの現状を聞くオンライン学習会を開催しました。社会福祉法人チルドレンス・バラダイス(本部:千葉県いすみ市、森田雄司理事長)が運営する児童養護施設「子山ホーム」(いすみ市深堀)園長の吉田正浩さんの講演から、約50人の参加者が子どもたちを取り巻く成長の背景や自立に向けた課題への理解を深め、地域の一人ひとりができることを考えました。
「まずは知って」施設への理解
パルシステム若者応援基金による給付型奨学金の奨学生は、児童養護施設など社会的養護下で成長した背景を持つ若者が多くおり、子山ホーム出身の学生もいます。こうした子どもたちを取り巻く環境や課題を多くの人に理解してもらうことを目的に、学習会を開催しました。
吉田さんは、報告に当たり「児童養護施設を正しく理解し、暮らしているのは『普通の子どもたち』だと知って下さい」と参加者に呼びかけました。地域内の施設への警戒心や不安を取り除くには、まずは正しい情報に自ら触れ、周りの人と話し合うことが有効で、今回の報告をきっかけにして欲しいと伝えました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6976/1008/6976-1008-c9603b19f20037eff50988f8b691eb3f-386x301.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲オンラインで報告をした吉田さん
保護者を頼れない子どもたち
社会的養護は、保護者から適切な養育を受けられない子どもたちを公的責任で保護し、養育に困難を抱える家庭を支援する仕組みです。全ての子どもを社会全体で育み、最善の利益を目指すことを基本理念に、さまざまな施設や一般家庭で子どもたちを養育しています。
児童養護施設は、現在全国に610カ所あります。2万3,008人の子どもたちが、できるだけ家庭に近い環境で生活する場所として機能します。主な養育は保育士や児童指導員などの専門職が担当し、嘱託医や栄養士、心理面をサポートする相談員など2万639人の職員が見守っています。2歳から18歳までが入所の対象ですが、昨年度に年齢制限が撤廃され、本人の状況に応じて必要な時期まで支援を受けられます。
施設への入所理由は、保護者の虐待が半数を超え、経済的困難や精神疾患、養育能力の欠如など多くの要因が絡み合い、背景が複雑化しています。入所の直接の原因が改善されても別の課題が明らかになるなど、子どもの心のケアや家庭環境の調整も必要になります。
虐待9割 半数以上が発達障害など
子山ホームでは、4歳から18歳までの子どもが、本園6ホームと分園2ホームでそれぞれ6人が1つの家庭のように生活しています。一日のスケジュールの中で温かな食事をとり、学校に行って宿題をし、みんなでグラウンドに出て遊ぶといった日常を送っています。
子山ホームの入所児童は、そのほとんどが虐待によるものです。発達障害や知的障害など疑いも含めた子どもが6割近くおり、児童精神科など医療や福祉サービスとの連携が不可欠です。複雑な養育環境に起因する症状も含め、職員は通院の付き添いや心理面への対応が必要となります。
児童養護施設に入所する子どもたちは、誰一人自分で望んで来たわけではありません。吉田さんは、参加者に3枚の紙に、自分の大切な人と場所、ものを書いて、1枚ずつくしゃくしゃにして丸めるよう呼びかけました。その後に3つを投げ捨て、どんな気持ちになるか問いかけました。「一時保護される子どもたちは、親や居場所、大切なものを何一つ持って行けずに児童相談所に入所させられます」と子どもの思いを想像して欲しいと語りました。
吉田さんは「悪いことをして親と暮らせないと思われる」「養護施設に居ると知られると友人との関係性が崩れてしまいそう」など社会的養護下にある子どもの声も紹介し、社会の理解が広がれば、こんな思いを抱くこともなくなると話しました。
18歳になり進学や就職で退所する子どもは「一人で生きて行けるのか」「ちゃんとごはんが食べられるのか」と大きな不安を抱えています。吉田さんは「親という絶対的な後ろ盾がない彼らは、一度のつまずきでも人生が狂ってしまうことがあります。施設出身の子どもがいたら気にかけてあげてください。今日の報告を周りの人に伝え、『すべての子どもを社会全体で育む』という意識を多くの人に持ってほしいです」と話を締めくくりました。
▼若者たちの未来をつくる パルシステム給付型奨学金
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=r8Zc9Tb4PWo ]
グッドデザイン賞の「パルシステム給付型奨学金」
パルシステムの奨学金制度は、利用者から寄せられた募金から、対象の学生に毎月4万円の奨学金を給付します。奨学生を推薦する支援団体は、「伴走型支援」として、生活相談をはじめ精神的にも卒業までの学生生活をサポートします。パルシステムは、産直提携先での農業やボランティアなど社会体験プログラムを用意し、学業以外の経験を重ね、多様な人たちとのつながりを広げる機会を提供します。
募金の一部は、伴走支援する19団体の活動費にも活用されます。利用者による2025年度の寄付は11月末までに3,864万9,758円が寄せられ、延べ募金額は2億4,064万7,082円となっています。法人サポーター13団体からの寄付も運営費として活用しています。
毎月一定額を寄付する「奨学生応援サポーター」は、1万2,258人(2025年11月30日時点)となりました。サポーターからは奨学生へのメッセージも多数寄せられ、「多くの大人や団体に支えられている」という実感が、生活していく上での安心感につながっています。
▼パルシステムの給付型奨学金制度
2019年度に給付型奨学金制度を創設、2年間のモデル事業を経て2021年度から本格運用を開始しました。2023年12月1日、「一般財団法人パルシステム若者応援基金」を設立し、制度の管理を移管し、運営しています。
募金は、パルシステムグループ10生協(12都県)への加入者のほか、個人や企業からの寄付も受け付けています。
パルシステム給付型奨学金は2025年度、グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。若者の課題を掘り下げ、生活相談などを通じた学生に寄り添う伴走型支援や社会体験プログラムなどの仕組みが評価されました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6976/1008/6976-1008-bed734dde61fe54b2a05abdf4a8510af-573x417.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6976/1008/6976-1008-783fc5daa776234564f42eac54f1572c-632x390.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
パルシステムはこれからも、利用者や産地、地域の様々な団体と協同し、つながりの力で若者の成長を見守ります。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6976/1008/6976-1008-2c918acb7f2f2c7416cdbde649ffd1e8-774x507.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 、理事長:渋澤温之
13会員・統一事業システム利用会員総事業高2,604.2億円/組合員総数176.2万人(2025年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6976/1008/6976-1008-2f834420d46331b4106c5f532cc53de6-1104x351.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2025年は国際協同組合年です
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「パルシステム連合会」のプレスリリース
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