熱赤外線衛星コンステレーションの構築で英国SatVu社との協力
配信日時: 2025-09-09 05:40:01
~熱赤外線センサを搭載した小型衛星で世界をリードする英国企業との連携により日本の安全保障に貢献~
IHIは、熱赤外線(IR)センサを搭載した小型衛星(以下、「IR衛星」)を開発、運用する英国のGlobal Satellite Vu Ltd(本社:英国、共同創設者兼CEO:Anthony Baker、以下「SatVu」)と、両社の技術と経験を活用して、日本の国家安全保障および経済安全保障市場に向けたIR衛星コンステレーションの主権性を確保し、さらにデュアルユース(軍民両用)のユースケースの探求を目的とした協力体制の構築に合意しました。
IHIとSatVuは、2社間の覚書(MoU)を締結する署名式を、英国ロンドンで開催される防衛イベント「DSEI UK」(※1)において2025年9月10日(水)に行います。
SatVuは英国を拠点とするスタートアップ企業で、同社は2023年に最初の衛星「HotSat-1」(写真1)を打ち上げ、2026年には2基目と3基目の衛星「HotSat-2」と「HotSat-3」の打ち上げを予定しています。SatVuの熱画像技術は、高解像度のIR画像(写真2)を生成することを可能にし、国家安全保障および経済安全保障、災害対応、産業活動の監視、エネルギーインフラの観察、気候リスクへの対応などの活用が期待されています。
今回の合意に基づき、IHIとSatVuは、SatVuの高解像度IR画像の活用方法を検討し、IR衛星コンステレーションの要件を定義するとともに、日本でのIR衛星コンステレーションの整備や国内での衛星製造を見据えた最適な事業スキームを検討します。この協力は、国家安全保障とレジリエンスの強化にとどまらず、日本の宇宙産業の発展を促進し、地球観測分野における日本と英国の連携を深化することを目的としています。
2023年の「広島アコード(※2)」で示されたように、宇宙および防衛分野で日本と英国の関係が強化されています。さらに、2025年8月に東京で開催された日英防衛相会談において、両国政府が衛星を活用した地球観測や宇宙領域把握といった新興技術を含む協力の拡大に合意したことで、日英間の関係は一層強化されていきます。また、昨今、地政学的な不安定性が高まる中、すでに顕在化している、または新たに発生し得る課題に対応するため、日本政府は安全保障能力強化への投資を進めています。
IHIは、「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力をもって、小型衛星コンステレーションの整備を主導していくことを目的に、2025年5月にSAR衛星で世界をリードするフィンランドのICEYE Oyと協業で締結しました。この連携において、安全保障、公共および商業利用を目的とする地球観測衛星データを提供するため、最大24基のSAR衛星のコンステレーションの整備に向けて取り組んでいます。
最終的には、今回合意したIRおよび光学、合成開口レーダー(SAR) 、VHFデータ交換システム(VDES、次世代AIS(自動船舶識別システム))、電波収集(RF)およびハイパースペクトル(高い波長分解能)を含む複数種類の衛星で構成される衛星コンステレーションを構築し、陸上や海上の目標検出および追跡能力を提供することを目指していきます。
【覚書(MoU)締結に関する両社コメント】
IHI 取締役常務執行役員 航空・宇宙・防衛事業領域長 佐藤篤
今日の世界はますます不安定化しています。日本の国家安全保障戦略は、自国の宇宙における主権能力を強化する重要性を認識すると同時に、国家の戦略的利益を共有する同盟国や同志国との協力と連携への道を拓いています。高解像度IRデータは、日本の国家および経済安全保障に大きく貢献する可能性を秘めています。この覚書は、今後の日本の国家安全保障に不可欠となるIRデータの主権性を確保するための第一歩としていきます。
SatVu 共同創設者兼CEO Anthony Baker氏
IHIと提携し、SatVuの世界最先端の熱赤外線衛星技術を日本に導入できることを大変嬉しく思います。私たちの専門性と、航空・宇宙・防衛分野におけるIHIの経験と実績を組み合わせることで、日本の安全保障と強靭性の向上に貢献し、産業・エネルギー・気候モニタリングなど幅広い分野で革新的な応用が可能となります。今回の協業を通して、宇宙技術を活用して現代社会が直面するさまざまな課題の解決に貢献したいと考えています。
【SatVuについて】
SatVuは、IR衛星技術の開発と運用を専門とする、英国を拠点とした宇宙技術のスタートアップ企業であり、地球の表面温度を高解像度で観測可能な「HotSatコンステレーション」で知られています。
SatVuは2023年6月にSurrey Satellite Technology Ltdと共同で開発した最初の衛星「HotSat-1」の打ち上げを成功させました。さらに、2026年には2基目と3基目の衛星「HotSat-2」と「HotSat-3」の打ち上げも予定しています。
同社の技術は、高解像度の赤外線画像を生成し、地表温度を詳細に観測することが可能であり、国家安全保障、経済安全保障、環境モニタリングをはじめとする多岐にわたる分野に活用されています。SatVuは、熱赤外線技術を通じて地球観測の新たな可能性を切り拓く先進的な企業であり、事業拡大に向けた取り組みを続けています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/89117/268/89117-268-0ebe8d01bca86b66648a59e549c8c755-900x600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
写真1:HotSat-1衛星
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/89117/268/89117-268-78ddc8d08d0263dd9c50c84f01e5cf58-1280x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
写真2:IR画像
※1:DSEI UK(https://www.dsei.co.uk/)
英国ロンドンで開催される最大規模の防衛‧セキュリティ総合展示会。 2025年9月9日から12日にエクセル展覧会センター (Excel London)で開催される。
※2:広島アコード
2023年5月18日、G7広島サミットに先立ち、日本と英国の間で発表された包括的なパートナーシップ強化に関する合意であり、両国間の協力をさらに深化させ、特に安全保障、経済、技術、エネルギー、気候変動などの分野での連携を強化することを目的としている。
【関連プレスリリース】
2025年5月22日
地球観測衛星コンステレーション整備事業でICEYE社と協力 ~SAR衛星で世界をリードするフィンランド企業との連携により日本国内での衛星運用で安全保障に貢献~
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