ShiftallとTBS、PCレス配信機「HOMRA 4K」発表 USB-C給電で最大4ストリーム配信

2026年11月7日 10:19

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記事提供元:Tech Times

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ShiftallとTBSテレビは2026年11月5日、共同開発した小型映像伝送・配信機「HOMRA 4K(ホムラ フォーケー)」を発表した。2027年3月発売予定で、予定価格は10万円程度。対応するUSB-C PDモバイルバッテリーから給電でき、PCを介さずにカメラ映像を伝送する。

LMSやSRTなどによる最大4ストリームの同時配信に加え、録画や映像切り替えの機能を小型筐体にまとめる。LMSの利用料は本体価格とは別で、公開された仕様は開発中のものだ。

■カメラと配信回線の間を1台に集約

開発の背景には、撮影現場と離れた制作拠点をネットワークで結ぶリモートプロダクションがある。現場で撮影・音声収録を行い、映像の切り替えやテロップ、音声ミキシングなどを別の拠点に集約することで、現地に運ぶ機材や人員を減らせる。

海外ではREMIとも呼ばれる制作方式で、ESPNは2014年12月2日に同社初のREMI中継を実施したと公表している。同社は、新型コロナウイルス禍での制作対応が、関連技術の開発や遠隔制作の導入を加速させたと説明している。

この方式でも、現場から映像を送り出すエンコードと伝送の処理は必要になる。Shiftallによると、従来、SDIカメラの映像をLMSで送るには、キャプチャー機器でPCに取り込み、PC上のLMSアプリから伝送する構成が必要だった。HOMRA 4Kは、その入力・エンコード・伝送を1台に統合する。

PCによる配信では、映像処理に必要な性能に加え、冷却、給電、OSやソフトウェアの管理も運用上の検討事項となる。インテルが説明するサーマルスロットリングは、温度の上昇に応じてプロセッサーの動作周波数を下げる保護機構だ。長時間の映像処理では、こうした温度管理も重要になる。

テクノエッジの発表会報道によると、TBS側は従来のPC構成について、設置スペース、長時間運用時のフリーズ、持ち運びにくさなどを課題に挙げた。HOMRA 4Kは、Shiftallのハードウェア設計・開発力とTBSの中継制作の知見を組み合わせ、現場の構成と操作を簡素化する狙いがある。

■4KはHDMI入力、SDIは最大1080p60

映像入力は3G-SDIとHDMIを各1系統備える。3G-SDI入力は最大1080p60で、入力信号をそのまま出すSDIループアウト端子も搭載する。HDMIは入力・出力ともに最大2160p60、すなわち4K・毎秒60フレームに対応する予定だ。

3G-SDIはSMPTE ST 424に基づく約2.97Gbpsのインターフェースで、12G-SDIの約11.88Gbpsとは伝送帯域が異なる。HOMRA 4Kに4K映像を入力する場合はHDMIを使い、SDIで接続する場合はカメラ側の出力を対応するHD形式に合わせる。導入時はカメラの出力端子と対応形式を確認する必要がある。

対応コーデックはH.264とH.265(HEVC)。ITUは、HEVCについて、従来のH.264に比べて同等の画質に必要なビットレートを約半分にできる技術として説明している。限られた通信帯域で高解像度映像を送る際に役立つ特徴だ。

配信方式はLMS、SRT、RTMP、RTSPなどに対応する。テクノエッジによると、1080p60では最大4ストリームを同時配信でき、YouTube LiveやTwitchなどへの送出にも対応する。制作拠点への伝送と配信プラットフォームへの送出を、同じ機器にまとめられる構成だ。

Shiftallの発表では、59.94iなどのインターレース信号を扱え、固定ビットレートのCBRと可変ビットレートのVBRを選択できる。放送用カメラからの入力とインターネット配信を、同じ機器で扱う設計となっている。

■録画・切り替え・監視も小型筐体に

HOMRA 4Kはエンコーダーに加え、受信した映像を復号するデコーダーとしても利用できる。送信側と受信側に配置すれば、カメラ映像の伝送から、制作拠点のモニターやスイッチャーへの出力までを専用機で構成できる。

SDXC対応のフルサイズSDカードスロットを備え、最大2160p60の本体録画にも対応する予定だ。Shiftallによると、3ストリームの配信とSDカード録画を同時に行える。配信用映像を送りながら、現場にも記録を残す用途に使える。

映像ソースはSDI、HDMI、USB接続のUVC対応カメラ、SDカード内の動画ファイルの最大4系統で、黒画面を挟まずに切り替えられる。3.5mmステレオライン入力・出力も備え、カメラ映像に含まれる音声と外部音声の切り替え・ミキシングに対応する。

筐体は1Uラックへの搭載と、1/4-20 UNC規格のねじによるカメラへの取り付けを想定する。どちらも本体外側にアダプターパーツを取り付けて使う方式だ。前面には2.0インチのカラー液晶を備え、前後には高輝度タリーランプを配置する。

電源用USB-C端子はUSB PDの9V・3A、27W給電に対応し、条件を満たすモバイルバッテリーから駆動できる。ネットワーク用にはギガビットイーサネットを2ポート備え、USB無線LANアダプターの接続にも対応する。屋外運用では、電源とともに配信用の通信経路を用意することになる。

■LMSで映像・音声とカメラ制御を伝送

LMSは、TBSテレビとWOWOWが共同開発した映像・音声・制御信号の伝送技術で、HOMRA 4Kの発表ではTBSとWOWOWエンタテインメントが共同展開するプロトコルとして紹介されている。インターネット経由で映像を送りながら、離れた場所のカメラやスイッチャーの制御信号も伝送できる。

Shiftallは、LMSの特徴として0.1秒以下の低遅延伝送とパケットロス時の再送を挙げる。LMSの公式説明では、同じ送信から、操作向けに遅延を抑えた映像と、再送を利用して安定性を重視した映像を受信する構成を示している。カメラ操作の反応速度と、番組に使う映像の安定性を使い分ける発想だ。

HOMRA 4Kでは、LANポート経由でPTZカメラのパン・チルト・ズームなどの制御信号やタリー信号を伝送できる。本体前後のタリーランプは、LMSで伝送するタリー信号と連動する。離れた制作拠点で映像を切り替える場合も、撮影者や出演者が使用中のカメラを把握しやすくなる。

LMSには放送現場での利用実績がある。放送文化基金の紹介によると、ゴルフやテニスなどの海外中継で国内から現地機材を遠隔操作する仕組みに使われ、「世界陸上オレゴン」や「男子テニス国別対抗戦デビスカップ」の中継でも採用された。

また、TBSとWOWOWは2026年4月20日、ソニーのポータブルデータトランスミッター「PDT-FP1」向けLMS専用アプリとライセンスの提供を開始した。公表価格は6カ月9万9000円(税込)だ。HOMRA 4Kは、SDI・HDMI入力を備えた専用機として、カメラを接続する構成を簡素化する。

■SRTにも対応、導入時は電源・回線・利用料を確認

SRTはHaivisionが開発し、2017年4月にオープンソース化した低遅延映像伝送技術だ。UDPを利用し、失われたパケットの再送要求などで通信品質の変動に対処する。HaivisionはSRT技術で2018年の技術・工学エミー賞を受賞している。

Haivisionは、SRTを低遅延映像伝送の事実上の業界標準と位置付ける。HOMRA 4KがLMSとSRTの両方に対応することで、受信側の設備や配信先に合わせて伝送方式を選べる。複数の送出先をまとめる際は、同時配信の条件と必要な回線帯域を確認したい。

本体の予定価格10万円程度には、LMSの利用料が含まれない。導入費用は本体だけでなく、利用するLMSプランや通信回線も含めて検討する必要がある。初期設定などには、PC、Mac、スマートフォンなどのブラウザーを使う。

モバイルバッテリーでの連続運用時間は、容量や給電効率、機器の動作条件によって変わる。9V・3AのUSB PD出力に対応する電源とケーブルを選び、予定する配信・録画構成で駆動時間を確かめることが、現場運用の準備となる。

PRONEWSによると、11月18~20日に幕張メッセで開催される「Inter BEE 2026」では、TBSブースに複数台を展示し、配信デモを行う予定だ。2027年3月の発売に向け、仕様や機能は変更される可能性がある。

カメラへの搭載、モバイルバッテリー給電、複数配信、録画を小型機に集約する構成は、現場の機材と接続を減らす選択肢となる。少人数でスポーツやイベント、取材映像を配信する制作者にとって、設営と運用の負担を軽減する製品として注目される。

元記事: Shiftall HOMRA 4K Streams Broadcast-Grade Live Video From Any Location Using Only a USB-C Power Bank

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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