キヤノンCinema EOS、3機種に32軸カラー調整 12月17日に無料更新

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キヤノンは2026年11月4日、EOS C400、EOS C80、EOS C50、EOS R5 C向けの無料ファームウエアを12月17日に公開すると発表した。C400、C80、C50には、特定の色相領域ごとに色相・彩度を調整する「Multi Matrix」を追加する。
C400とC80では、スロー&ファストモーション撮影時のオートフォーカス(AF)対応フレームレートを拡大する。C50には1/8000秒のシャッター設定や静止画モードでのストロボ撮影などが加わり、4機種とも新型マイクロホンに対応する予定だ。
■16軸・32軸で特定の色を調整
Multi Matrixは、画像内の色を16または32の色相軸に分け、選択した軸を中心とする色相領域の色相と彩度を補正する機能である。画面全体の色調を整える操作に加え、被写体の特定の色に狙いを絞った調整ができる。
C400、C80、C50では、CP(カスタムピクチャー)機能から有効にする。エリア表示を使うと、補正対象となる領域だけに色を残し、ほかを無彩色で表示できるため、対象を画面上で確認しながら調整できる。
キヤノンは、スポーツ中継でのチームカラーや、ライブコマースでの商品色の再現などを用途に挙げている。複数台のカメラを使う制作でも、ユニフォームや商品など、映像の中で重要な色を合わせる際の調整手段となる。
色相ごとに補正する考え方は、放送用カメラでも採用されている。ソニーの業務用カメラには16軸のマルチマトリクスを備えた機種があり、今回のキヤノンの3機種では16軸と32軸を選択できるようになる。
米キヤノンは、既存のスタジオカメラとC400、C80、C50の映像を、その場で合わせる運用も紹介している。撮影・送出する映像の色をカメラ側で整える機能は、仕上げ工程での補正に加え、放送やライブ制作の現場で色を管理する選択肢を広げる。
■C400とC80でS&F撮影時のAFを拡充
スロー&ファストモーション(S&F)は、撮影と再生で異なるフレームレートを使い、スローモーションや早送りの映像を記録する機能だ。再生より高いフレームレートで撮影すれば、動きをゆっくり見せられる。
今回の更新では、C400とC80で72P、75P、90P、96Pに設定した場合にもAFが使えるようになる。両機種は既に100P、120PでのAFに対応しており、今回はその間の撮影フレームレートにも対応を広げる。C50は、今回追加される4種類のフレームレートでのAFに対応済みだ。
例えば、72コマ/秒で撮影して24コマ/秒で再生すれば、再生時間は3倍になる。96コマ/秒から24コマ/秒なら4倍、48コマ/秒なら2倍となり、90コマ/秒から30コマ/秒では3倍の再生時間になる。仕上げのフレームレートと見せたい動きに合わせて、撮影設定を選べる。
C50では、S&Fモードを設定したまま記録を行っていない待機中にも、音声を外部出力できるようになる。収録待機中の音声モニタリングを続けられる機能で、C400とC80は対応済みである。
■C50は1/8000秒とストロボ撮影に対応
C50には、動画撮影用のシャッタースピード設定として1/8000秒が追加される。従来の動画モードの上限は1/2000秒で、明るい屋外などで露出を設定する際の選択肢が広がる。
シャッター速度を上げると、1コマごとの露光時間が短くなる。同じ明るさとISO感度の条件なら絞りを開ける余地が生まれるほか、動く被写体のブレの表現も変わるため、露出と動きの見え方を合わせて選ぶ設定となる。
静止画モードではストロボ撮影に対応する。従来型の5ピン接点を備えたストロボを装着する場合は、マルチアクセサリーシューアダプター「AD-E1」が必要だ。動画と静止画を同じカメラで撮る制作では、照明を使った商品撮影などへの活用が考えられる。
■Logの黒レベル調整とメタデータ出力を強化
C400、C80、C50には、Canon Log 2とCanon Log 3の黒レベル(ペデスタル)を調整する機能が加わる。記録信号の黒の基準を調整でき、複数カメラの映像を合わせる際の制御項目が増える。
キヤノンの技術資料によると、Canon Log 2は暗部の階調表現が豊かで、仕上げ時の調整自由度が大きい。一方、Canon Log 3は暗部のノイズを目立ちにくくし、比較的扱いやすい特性を持つ。用途に応じたLogの選択に、黒レベルの調整が加わる形だ。
同じ3機種では、カメラから出力するCVメタデータに、ズームとフォーカスのエンコーダー値を追加する。レンズの動作位置を示す情報が増え、バーチャルプロダクションなどで実写側のレンズ状態を外部システムへ伝える際に役立つ。
C400とC80では、焦点距離1000mmを超えるレンズを装着した場合にも手ブレ補正が働くようになる。カメラ本体側の補正は電子ISで、超望遠レンズを使う撮影でも利用範囲が広がる。C50はこの焦点距離範囲に対応済みだ。
■ボタン・ダイヤルと撮影情報表示も改善
C400、C80、C50では、センサーモードの切り替えを任意のアサインボタンに割り当てられるようになる。クロップ撮影に使うモードをワンタッチで変更でき、レンズを交換せずに画角を切り替える操作を素早く行える。
この3機種では、対応RFレンズのレンズファンクションボタンにも任意の機能を割り当てられるようになる。さらにC400とC80では、SELECTダイヤルからシャッタースピードや絞り値を直接操作できるようになる。C50とR5 Cは、このダイヤル操作に対応済みである。
撮影情報の表示量を選ぶ「DISPレベル2」も、C400、C80、C50で拡充する。Base ISO、クリップファイル名、ファンモードなどを表示でき、露出設定や収録状態の確認に使える。
C400とC80は、Canon Log 2、Canon Log 3、RAW記録時にISO800、3200、12800の3段階のBase ISOを持つ。使用中のBase ISOを撮影画面で確認できることは、感度設定を管理する際の助けになる。
■新型マイクとタイマーリモコンにも対応
4機種すべてが、国内で2026年12月下旬に発売予定のマイクロホン「DM-E10D」に対応する。モノラルの指向性マイクで、マルチアクセサリーシューを通じて音声を送信し、カメラから給電を受ける。ケーブルやマイク用バッテリーを用意せずに使える。
キヤノンの国内発表では、C50とR5 Cについて、2027年1月下旬発売予定のタイマーリモートコントローラー「TC-N3/TC-E3」への対応も案内している。TC-N3はN3端子、TC-E3はE3端子に対応するモデルで、カメラの接続端子に合わせて選ぶ。
従来機のTC-80N3は1998年12月発売で、新モデルは約28年ぶりの更新となる。新たに時計機能を備え、撮影時刻をあらかじめ指定できるほか、表示パネルの大型化や背面の三脚ねじ穴の追加など、操作性も見直した。
■継続的な機能拡張、12月17日に無料公開へ
Cinema EOSでは、2026年6月にC400、C80、C50へUSB接続による外部機器からの操作や、SRTストリーミング切断時の自動再接続を追加した。8月にはC400とC80へ「Cinema Exposure」を追加し、CN30×40 IAS Jシリーズのシネサーボレンズへの対応も進めた。
10月にはC400、C80、C50向けに、IPストリーミングの安全性向上や一部言語環境での表示不具合への対処を行った。12月の更新では、色調整、AF、操作性、アクセサリー対応へと機能拡張を広げる。
今回のファームウエアは、12月17日にキヤノンのサポートサイトで無料公開される予定だ。2026年11月5日時点の国内公式オンラインショップ掲載価格は、C400が137万5000円から、C80が89万6500円から、C50が55万4400円からで、いずれも税込みとなっている。
元記事: Canon Cinema Cameras Get Free 32-Axis In-Camera Color Control on December 17
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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