マスク氏、テキサス上院選の民主党タラリコ候補を批判―世論調査ではタラリコ氏がリード
3日の米中間選挙を前に共和党候補へ多額の献金を行っているイーロン・マスク氏が、テキサス州の連邦上院選に出馬している民主党候補ジェームズ・タラリコ氏を中傷するコメントを投稿した。世論調査ではタラリコ氏が共和党候補をリードしており、共和党有力者による同氏への攻撃が強まっている。
■クルーズ氏らの発言に反応
宇宙開発企業スペースXと電気自動車大手テスラの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏は10月31日(現地時間)、「タラリコには何か深刻な問題がある」と投稿した。前日30日に放送されたビル・マー氏の番組で、テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)と、トランプ大統領を支持するミュージシャンのキッド・ロック氏がタラリコ氏を批判した場面の動画に反応したものである。
動画の中でクルーズ氏は「タラリコはとても奇妙な男だと思う。究極の『ウォーク(社会正義に過敏な左派)』な社会正義の戦士のような人物で、神はノンバイナリー(性別二元論に当てはまらない存在)だと言っている」と発言している。
クルーズ氏の発言は、タラリコ氏が2021年にテキサス州下院で神は「ノンバイナリー」だと述べたことを指している。タラリコ氏は、この発言は意図的に挑発的なものであり、本質的には神を人間の分類で定義することはできないという自身の信念を表したものだと説明している。
タラリコ氏はこの発言から距離を置き、「痛々しい(cringey)」ものだったと認めた。一方で、共和党はこれを政治的な中傷に利用し、対立候補である共和党のケン・パクストン・テキサス州司法長官の「汚職にまみれた経歴」から目をそらそうとしていると主張している。
■争点となるパクストン氏の汚職疑惑
パクストン氏をめぐる汚職疑惑は選挙戦の主要な争点となっている。同氏は2015年、証券詐欺などの重罪3件で起訴された。2023年にはテキサス州下院が、収賄、公的信頼の乱用、内部告発者への報復、司法妨害などを理由に同氏の弾劾を可決した。
この弾劾訴追の採決では、共和党議員60人が党派を超えて民主党と共に賛成票を投じた。
パクストン氏は証券詐欺事件で公判前の司法取引(ダイバージョン)に合意し、数十万ドルの損害賠償の支払いと社会奉仕活動を受け入れることで刑事訴追を免れた。
弾劾をめぐっては、共和党が多数を占めるテキサス州上院が、採決に付された16項目の弾劾条項すべてについてパクストン氏を無罪とした。
■民主党、1988年以来の議席獲得なるか
タラリコ氏とパクストン氏の選挙戦は接戦となっている。MSNOWのテキサス州世論調査トラッカーによると、10月31日時点でタラリコ氏が平均3ポイント余りパクストン氏をリードしている。
タラリコ氏が勝利すれば、民主党にとって極めて大きな政治的勝利となる。民主党は1988年11月以来、テキサス州で連邦上院選に勝利していない。2024年の大統領選では、トランプ氏が同州で民主党候補のカマラ・ハリス氏に14ポイント近い差をつけて勝利した。
テキサス州で民主党が議席を奪取すれば、上院全体の過半数獲得に向けた民主党の可能性が高まる。その可能性は高まりつつあると報じられている。
下院については、大半の世論調査が3日の選挙後に民主党が過半数を握る公算が極めて大きいことを示している。
■トランプ氏、バンス氏も攻撃
タラリコ氏の勢いは共和党有力者の注目と反発を招いている。トランプ大統領は元英語教師のタラリコ氏を「タラフリーコ(Talafreako)」と呼び、繰り返しあざけっている。JD・バンス副大統領はテキサス州での集会で、タラリコ氏が同性愛者であるとほのめかした。
バンス氏は自身を称賛した聴衆の男性に対し「私もあなたを愛している。念のため言っておくが、純粋にプラトニックな意味でだ。私は副大統領であって、ジェームズ・タラリコではない」と応じた。
この発言は同性愛嫌悪的だとして広く批判された。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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