IMF、米国に財政調整を要求 米財務省顧問は「予測は不安定」と反論

2026年10月16日 10:51

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記事提供元:International Business Times

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事。IMFは米国に対し、経済成長だけでは政府債務の削減には不十分で、財政調整が必要との見解を示した(写真:IMF)

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事。IMFは米国に対し、経済成長だけでは政府債務の削減には不十分で、財政調整が必要との見解を示した(写真:IMF)[写真拡大]

 国際通貨基金(IMF)は、米国が経済成長だけで膨らむ政府債務を持続可能な水準に抑えるのは難しく、歳出や税制を含む財政調整が必要だとの見解を示した。これに対し、米財務省のデービッド・ゼルボス長官顧問は、IMFの過去の経済予測の精度に疑問を呈し、反論した。

 IMFのクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事は、タイ・バンコクで開かれているIMF・世界銀行年次総会で、トランプ政権の経済戦略について「米当局は債務削減に向け、米国の力強い成長に大きく依存している」と指摘した。

 そのうえで、「成長が助けになることはもちろんだが、必要な調整を十分な速さでもたらすことはできない。何らかの財政措置が必要になる」と述べた。

 ゲオルギエワ専務理事は、政府債務が過大な国として、米国をはじめとする先進国を問題視した。米国や欧州の先進国について、公的債務の面で「最も問題の大きい国々」との認識を示している。

■金利上昇で財政再建の緊急性高まる

 IMFが14日に公表した「財政モニター」も、債務残高が高水準にあるなかで金利が上昇しており、財政リスクが増していると警告した。

 IMF財政局のロドリゴ・バルデス局長は、政府債務の増加や金利上昇を受け、「我々はメッセージの緊急度を引き上げた」と述べた。財政リスクの高い国について、市場からより痛みの大きい調整を迫られる前に対応する必要があるとの考えを示した。

 国債利回りの上昇は、新たな国債発行や既存債務の借り換えコストを押し上げる。IMFによると、主要7カ国(G7)の10年物国債利回りの平均は2月から9月にかけて1ポイントを超えて上昇し、約20年ぶりの高水準に達した。

■米財務省顧問「IMFの予測は不安定」

 これに対し、9月に米財務省の長官顧問に就任したデービッド・ゼルボス氏は15日、CNBCに対し、「IMFについての記事を見るときには、過去の予測がどれほど不安定だったかを思い出すべきだ」と述べた。

 ゼルボス氏は具体例として、2022年のロシア経済に対するIMFの悲観的な予測や、アルゼンチンへの支援を挙げた。

 IMFは2022年4月、ロシアの実質国内総生産(GDP)が同年に8.5%減少すると予測していた。ゼルボス氏は、実際の落ち込みは予想より小さく、その後ロシア経済が成長したと指摘した。

 アルゼンチンについては、IMFが2018年に最終的に570億ドル規模の融資枠を設定したものの、同国は2020年に再び国債のデフォルトに陥ったと指摘した。ギリシャへの対応や、米国のインフレを一時的と判断した過去の見方も挙げ、IMFの予測は「割り引いて受け止めるべきだ」と主張した。

■世界成長率見通しは3.1%に上方修正

 一方、IMFは13日に公表した最新の「世界経済見通し(WEO)」で、2026年の世界経済の実質成長率を3.1%と予測した。7月時点の3.0%から0.1ポイント引き上げたが、2025年の3.5%からは減速する。

 2027年の成長率予測は3.4%で、7月時点の見通しを据え置いた。

 IMFのシルバナ・テンレイロ経済顧問兼調査局長は、世界経済について「底堅さを保っているが、その底堅さには圧力がかかっており、リスクは下振れ方向に傾いている」と述べた。

 中東での戦争に伴うエネルギーなどの商品価格上昇が世界経済を下押しする一方、人工知能(AI)関連の投資ブームが貿易や設備投資を押し上げ、景気を支えている。

 IMFは今回の見通しで、世界の原油供給の重要な輸送路であるホルムズ海峡について、2027年3月から再開が始まり、同年10月ごろまでにおおむね戦争前の状態に戻ると想定している。

 7月時点では2026年7月中旬から再開し、2027年3月までに正常化するとの前提だった。中東情勢の長期化に伴い、世界経済の前提となるエネルギー輸送の正常化時期は大幅に後ずれしている。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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