Core i9-14900Kを3回交換したユーザーが再び不調を報告 Intelが推奨するBIOS設定は

(Pok Rie/pexels.com)[写真拡大]
IntelのCore i9-14900Kを購入後、3回交換したというユーザーが、現在のCPUでもゲームのクラッシュが起きていると報告した。Intelは、第13世代・第14世代Coreデスクトッププロセッサーの一部で確認された「Vminシフト不安定性」について、マイクロコード0x12F以降を含む最新BIOSと「Intel Default Settings」の利用を推奨している。症状が出ている場合は、設定と構成を確認したうえで保証窓口に相談できる。
■3回交換したユーザーの報告
2026年10月、掲示板Redditへの投稿がHardwareluxxなどに取り上げられた。投稿者によると、2023年の発売時に購入したCore i9-14900Kをこれまでに3回交換し、現在使う4個目にもゲームが終了するなどの症状が出ている。投稿者は、CPUの劣化を疑い、別のプラットフォームへの移行を検討している。
投稿者が示した現在の構成は、Z790 HEROマザーボード、64GBのDDR5-6000 CL28メモリー、GeForce RTX 5090だ。投稿者はBIOSを継続的に更新し、Intelの推奨設定を選んでいるとも述べている。一方、個々のCPUの故障原因を特定した検査結果や、使用中のBIOSの正確なバージョンは示されていない。
ASUSは日本向けのROG MAXIMUS Z790 HEROサポートページで、2025年5月公開のBIOS「3001」にマイクロコード0x12Fを組み込んだと案内している。2026年10月時点では、それより新しいBIOSも公開されている。同型のマザーボードを使う場合は、製品のサポートページで適用するBIOSを確認できる。
■Intelが示した不安定化の仕組みと対策
Intelは2024年9月、一部の第13世代・第14世代Coreデスクトッププロセッサーで、IAコア内のクロック信号を分配する回路が、高い電圧と温度の下で経年劣化しやすいと説明した。安定動作に必要な最低電圧が上昇する現象をVminシフトと呼び、アプリのクラッシュやフリーズにつながる。マイクロコード更新は、そのような動作条件を抑えるための対策であり、すでに生じた物理的な劣化を修復するものではない。
Intelが挙げた動作条件は4つある。マザーボードの電力供給設定がIntelの指針を超えること、Core i9向けeTVBの制御上の問題、SVIDが高い電圧を要求すること、待機時や低負荷時にマイクロコードとBIOSが高い電圧を要求することだ。Intelはそれぞれに「Intel Default Settings」、2024年6月のマイクロコード0x125、同年8月の0x129、同年9月の0x12Bで対応した。
2025年5月には、低負荷で使用するシステムを数日間連続稼働させた事例の調査を踏まえ、Intelが0x12Fを追加した。同社は、根本原因についての判断は変わらないと説明し、最新BIOSとIntel Default Settingsの利用を引き続き勧めている。交換したCPUを使う場合も、BIOSと電力設定の確認が必要になる。
■別の交換事例とBIOSの提供状況
別件では、修理業者Matt's Computer ServicesのMatthew Wielandが、約5000ドル(約79万円、1ドル=158円換算)のCorsair製PCでCore i9-14900Kを3回交換した事例を報告した。Tom's Hardwareによると、当時このPC向けに提供されていたBIOSには0x12Fが含まれておらず、Wielandは更新の遅れを問題視していた。
その後、Corsairは対象のVENGEANCE i8200向けに、0x12Fを含むBIOS「9059」を提供した。同社の製品サポート情報でも確認できる。完成品PCはマザーボード単体とはBIOSの提供元が異なる場合があるため、利用者はPCメーカーが指定する更新を確認する必要がある。
■保証の対象と相談先
Intelは対象の第13世代・第14世代Coreデスクトッププロセッサー24モデルについて、保証期間を2年間延長し、購入日から最長5年間とした。対象にはCore i5、i7、i9の該当モデルが含まれ、ボックス版とトレイ版の双方に延長が適用される。対象型番と保証期間は、購入した製品の情報で確認したい。
不安定化の症状が出た場合、Intelの案内では、ボックス版の購入者はIntelのサポート、トレイ版は購入先、完成品PCはそのメーカーが相談先となる。購入証明、CPUの識別番号、マザーボードの型番とBIOS情報、発生した症状を整理しておくと、保証相談を進めやすい。Intelの日本語の保証案内によると、交換によって保証期間の起算日はリセットされない。
この問題を巡っては、2024年11月に米国でVanvalkenburghとBrownらがそれぞれIntelを相手取って提訴した。両訴訟はその後、デラウェア州の連邦地裁で併合された。訴状に記されたIntelの認識や製品の欠陥に関する主張は、原告側の主張である。
■利用中・中古購入時に確認したいこと
第13世代・第14世代CoreデスクトップCPUを使い続ける場合は、マザーボードまたは完成品PCのメーカーが提供する最新BIOSを確認し、Intel Default Settingsを選ぶのがIntelの推奨だ。電力制限を緩める設定を利用している場合も、設定内容を確認したい。すでにクラッシュなどが起きているなら、BIOS更新と並行して保証窓口への相談を検討できる。
中古のCPUやPCでは、以前のBIOSや電力設定、購入日を販売者に確認することが判断材料になる。短時間の動作確認だけで過去の使用条件は把握できないため、購入証明と残りの保証期間も確かめたい。Intelは、後継のArrow Lakeを含む製品群について、このVminシフト不安定性の対象ではないと説明している。
元記事: Intel CPU Replacement Loop: Raptor Lake Owners Hit Four Swaps With No End in Sight
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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