英Legal & General、2027年半ばまでに約1000人削減へ 資産運用部門は対象外
英金融大手Legal & General(L&G)は、2027年半ばまでに約1000人、全従業員のおよそ1割に当たる人員を削減する計画を従業員に伝えた。英国では希望退職を軸に進め、応募状況によっては強制的な人員削減も検討する。運用資産約1兆2000億ポンドの資産運用部門は今回の削減対象から除外される。
■約1000人削減、資産運用部門は対象外
L&Gは9月23日、約1万人の従業員に対し、2027年半ばまでに約1000人の職務を削減する計画を通知した。アントニオ・シモンイスCEOの下で進めてきた事業売却や組織再編に続き、グループの業務運営を簡素化する取り組みの一環となる。
資産運用部門は今回の削減対象から除外される。同部門の運用資産は2026年上期時点で約1兆2000億ポンドに上り、L&Gの中核3事業の一つを構成している。
L&Gは2024年、Legal & General Investment Management(LGIM)とLegal & General Capital(LGC)の機能を統合し、公開市場とプライベート市場を扱う単一のAsset Management部門を設けた。現在の中核事業はAsset Management、Institutional Retirement、Retailの3部門で構成される。
■「必要以上に複雑になっている」
シモンイスCEOは従業員向けメールで、この10年間にL&G内で異なる組織やプロセス、働き方が生まれ、「必要以上に複雑になっている」と説明した。
「戦略を成功裏に実行するには、働き方が、私たちが目指す事業の姿を反映したものになっている必要がある。L&G全体で現在の働き方を変え、それによって、よりスリムな組織にならなければならない」と述べた。
英国ではまず希望退職制度を実施する方針で、応募が十分でない場合には強制的な人員削減も検討する。L&Gは労働組合と協議し、影響を受ける従業員を支援するとしている。
英国では、同一事業所で90日以内に100人以上の余剰人員整理を提案する場合、最初の解雇が実施される少なくとも45日前から労働組合の代表者などとの集団協議を始める必要がある。
■資産運用部門では先行して再編
資産運用部門では2025年、指数ファンド部門と上場投資信託(ETF)部門を統合するなど、コスト削減と組織簡素化を目的とした再編が行われた。英紙フィナンシャル・タイムズは当時、約80人が削減されると報じていた。
今回の約1000人の削減については、L&Gは具体的にどの職種や地域がどの程度影響を受けるかを公表していない。Institutional RetirementやRetailを含むグループ全体が対象となる一方、資産運用部門は対象外となる。
L&Gは今回の措置について、長期的な成長機会が大きい分野に経営資源や投資を集中させるためのものだとしている。
■2026年上期は営業利益7%増
L&Gの2026年上期のコア営業利益は前年同期比7%増の9億1800万ポンドとなり、コア営業1株当たり利益は11%増加した。2026年通期のコア営業1株当たり利益については、従来掲げていた年6〜9%の成長目標の上限を上回ると見込んでいる。
ソルベンシーII比率は201%で、同社が運営上の目安とする160〜190%を上回った。財務余力を維持するなかで、大規模な組織簡素化に踏み切る形となる。
L&Gは2026年に総額12億ポンドの自社株買いも進めている。第1弾の6億ポンド分は9月11日に終了し、第2弾の6億ポンド分を9月14日に開始した。配当と自社株買いを合わせ、2025〜2027年に50億ポンドを超える株主還元を行う方針を掲げている。
9月23日のL&G株は294.7ペンスで取引を終え、前日の296.6ペンスから約0.6%下落した。
■シモンイスCEOが進める事業再編
シモンイスCEOは2024年1月1日に就任した。L&G入社前はスペインのサンタンデール銀行CEOと欧州地域責任者を務め、それ以前にはHSBCで13年間、英国・欧州CEOやグローバル・プライベートバンキングCEOなどを歴任した。
2024年6月には、L&GをInstitutional Retirement、Asset Management、Retailの3つの中核事業に集中させる戦略を発表した。非中核資産についてはCorporate Investments部門を通じて売却や資本の再配分を進めてきた。
住宅建設会社Cala Groupについては2024年、Sixth Street PartnersとPatron Capitalの運用するファンドが保有する企業に、企業価値13億5000万ポンドで売却することで合意した。
また2025年2月には、米国の保険事業などを明治安田生命保険に総額23億ドルで売却し、米国の年金リスク移転事業や資産運用分野で長期的な提携を結ぶことで合意した。この取引は2026年2月に完了した。
■資産運用事業は上期に収益改善
2026年上期は資産運用部門の手数料関連利益が前年同期比37%増加した。コスト収益比率は前年同期から5ポイント改善して71%となり、年率換算の純新規収益は過去最高を記録した。
資産運用部門の運用資産は約1兆2000億ポンドで、このうちプライベート市場の運用資産は790億ポンドだった。L&Gは同部門について、2028年までに5億〜6億ポンドの営業利益を達成する目標を掲げている。
同社は、資産運用と年金リスク移転、個人年金、職場年金との連携も競争力の一つと位置付けている。2026年上期に英国で手掛けた年金リスク移転の約98%は、資産運用部門と長期的な取引関係を持つ顧客との案件だった。
■今後は削減対象の詳細が焦点
L&Gは2027年半ばまでに約1000職を削減する方針だが、現時点では対象となる具体的な職務や地域を明らかにしていない。英国では労組などとの協議を経て、希望退職を軸に手続きを進める。
Institutional RetirementやRetailでは企業年金のリスク移転、個人向け年金、職場年金などを扱っている。人員削減がこれらの業務に具体的にどのような影響を与えるかは、今後公表される再編の詳細が焦点となる。
L&Gは今回の人員削減を、2024年から続けてきたグループの簡素化と事業集中の次の段階と位置付けている。資産運用部門を対象外とする一方、グループの業務構造を見直し、長期的な成長分野への投資余力を高める方針だ。
元記事: Legal & General Cuts 1,000 Jobs, Spares Asset Management in Transformation Bet
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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