『The Batman Part II』ロンドン撮影に「フクロウの法廷」示唆、富裕層への抗議シーンが話題

2026年9月15日 17:52

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記事提供元:Tech Times

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9月13日にロンドンで撮影された『The Batman Part II』の写真と映像に、コミックの秘密結社「フクロウの法廷」を連想させる抗議看板が写り、ファンの注目を集めている。製作側は同組織の登場や主要な敵役を発表しておらず、看板が物語上の手掛かりなのか、ファン向けの仕掛けなのかは分かっていない。

確認されたのは、ロバート・パティンソン演じるブルース・ウェインが警察官に守られながら抗議者の間を通り、車へ向かう場面だ。撮影はゴッサムの司法関連施設に見立てられたロンドンのセント・ポール大聖堂周辺で行われた。『The Batman Part II』は2028年2月18日の米国劇場公開が予定されている。

■「Court of Fowls」の看板が呼んだ憶測

抗議者が掲げる看板の一つには、「Court of Fowls」と書かれていた。「Court of Owls(フクロウの法廷)」に、愚か者や不正を想起させる言葉を重ねた表現とみられ、同組織が映画に登場するのではないかとの推測が広がった。

周囲には「Court of Oligarchs(寡頭支配者の法廷)」「富める者はさらに富む」「いつか貧しい者には何も残らなくなる」「お前たちの強欲が私たちを殺している」「寡頭支配者は去れ」といった趣旨の看板も確認できる。群衆の怒りがゴッサムの富裕層や権力構造に向けられていることは読み取れるが、個々の文言が映画全体の筋書きを直接示すとは限らない。

一部の抗議者はバットマンを支持する看板を掲げている。ブルース・ウェインを富裕層の一員として非難する一方、その正体であるバットマンには腐敗への抵抗を期待しているとすれば、二つの立場を持つ主人公にとって興味深い対立になる。

白い仮面を着けた人物や、衣服に無政府主義を示すような「A」の印を付けた人物も撮影されている。これをバットマンの敵役アナーキーと結び付ける見方も出ているが、フクロウの法廷と同様、登場が確認されたわけではない。

■フクロウの法廷とは

フクロウの法廷は、スコット・スナイダーとグレッグ・カプーロによる「New 52」版の『Batman』で2011年に存在が示された秘密結社だ。ゴッサムでもっとも古く裕福な一族を中心に構成され、都市の政治、経済、建築に長年影響を及ぼしてきた存在として描かれる。

法廷は公の組織として命令を下すのではなく、資金、人脈、政治的影響力を通じて都市を陰から動かす。暗殺などの実力行使には、「タロン」と呼ばれる訓練された工作員を用いる。組織の実態は市民に知られておらず、その存在を警告する童謡だけがゴッサムの都市伝説として伝わっている。

フクロウの法廷はアニメ映画『バットマン VS. ロビン』、テレビシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』、ゲーム『ゴッサム・ナイツ』などに登場してきた。実写のバットマン劇場映画では、これまで本格的に扱われていない。

コミックでは、法廷の存在が『Batman』第2巻第2号で言及され、第3号で写真に写った姿が示された後、第6号で組織として本格的に登場する。このため、「第2号が初登場」とだけ説明するより、物語の進行とともに段階的に明かされた組織と捉える方が正確だ。

■富と制度が生む「敵」の構造

フクロウの法廷の特徴は、単独の犯罪者ではなく、都市の制度に組み込まれた集団として描かれる点にある。社会学者C・ライト・ミルズが『パワー・エリート』で論じた、経済、政治、軍事などの領域にまたがる少数の有力者が重大な意思決定に影響するという構造ともイメージを重ねられる。

法廷の力は、正式な統治機関を置き換えることではなく、候補者、事業、建築、治安といった都市運営の条件を陰から左右することにある。今回撮影された「Court of Oligarchs」などの看板は、少なくとも撮影シーンにおいて、市民の怒りが特定の犯罪者だけでなく、富と権力の集中へ向けられていることを示している。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では、ゴッサムの政財界と犯罪組織の癒着、都市再生基金の悪用、孤児や貧困層の放置が物語の土台となった。リドラーによる爆破と洪水の後を描く続編で社会的な分断が前景化するなら、前作から続く制度腐敗のテーマをさらに掘り下げる展開にもなり得る。

もっとも、抗議シーンにフクロウの法廷を思わせる言葉があることと、同組織が主要な敵役になることは別の問題だ。看板は法廷そのものではなく、ゴッサムの富裕層全般を風刺する市民側の言葉である可能性も残る。

■コミックの都市迷宮をどう映像化するのか

コミック版のフクロウの法廷は、ゴッサムの歴史や建築そのものに根を張っている。ウェイン家の祖先アラン・ウェインが関与した建物などに秘密の拠点を設け、都市の表側からは見えない空間を利用する設定だ。正体を暴くだけでは排除できないほど、権力が街の構造へ浸透していることを視覚的に表している。

都市計画やインフラを研究するケラー・イースタリングは、建物の外観だけでなく、規格、区域指定、運用ルールといった仕組みが空間の利用方法を左右すると論じてきた。フクロウの法廷の地下迷宮には、目に見えない制度が都市の形と人々の行動を決めるという発想を重ねられる。

『The Batman Part II』は、グラスゴーでも雪に覆われたゴッサムの道路やバットモービルの走行場面などを撮影してきた。その後、撮影はロンドンへ移り、今回の抗議シーンが収録された。歴史的建築を現代都市の政治的緊張と組み合わせる手法は、都市そのものを物語の一部として扱った前作にも通じる。

■タロンの設定と現実の研究にある共通の発想

コミックのタロンには、架空の物質ディオネシウムを用いた再生能力が与えられている。低温によって活動を抑え、加温によって再び動き出すという設定もある。この部分を続編が採用するか、より現実的な訓練を受けた工作員として再構成するかは分かっていない。

現実の生命科学では、Oct4、Sox2、Klf4、c-Mycという山中因子を短期間だけ働かせ、細胞の性質を完全に初期化せず、老化に伴う分子的特徴の一部を変化させようとする「部分的リプログラミング」が研究されている。2016年に発表されたマウス研究では、早老症モデルの老化に伴う特徴が緩和され、寿命が延びたと報告された。

2022年の別のマウス研究でも、一定の条件で山中因子を発現させることにより、複数の組織で老化に関連する分子的変化が調べられた。いずれも動物段階の研究であり、コミックのような蘇生を扱ったものではないが、生物の状態を情報制御によって変化させるという発想は、タロンの設定を読み解く補助線になる。

低温を医療に利用する研究や治療も、体温を下げることで代謝や組織損傷に影響を与える点で、タロンの停止と再起動を連想させる。一方で、現在の医療的な体温管理は患者の生命活動を止める技術ではない。作品との比較では、温度を生物学的状態の制御に用いるという共通構造に注目するのが適切だ。

■監視者としてのフクロウとバットマン

フクロウは暗闇の中で音を捉え、静かに獲物へ近づく生態を持つ。多くの種では顔盤が音を耳へ導き、左右で位置の異なる耳が獲物の方向を判断する助けになる。ゴッサムを陰から観察し、狙った人物へタロンを送り込む法廷の象徴として、フクロウは組織の性格を端的に示している。

同時に、バットマンもまた都市を観察し、断片的な情報から事件の構造を組み立てる存在だ。『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では、ロバート・パティンソン演じるブルースが犯罪現場を詳細に観察し、映像や証拠を重ねながら事件を追う探偵として描かれた。

フクロウの法廷が続編に登場するなら、物語には「監視する者同士」の対立という構図を重ねられる。法廷が権力を維持するために市民を見張るのに対し、バットマンは隠された権力を見つけ出すため都市を観察する。その対照は、フクロウとコウモリという夜行性の象徴を超え、誰が都市を見るのか、誰のために情報を使うのかという主題につながる。

■現段階で確認できること

『The Batman Part II』はマット・リーヴスが監督し、マットソン・トムリンと共同で脚本を執筆している。撮影はイングランドとスコットランドで進められ、今回話題となった9月13日の抗議シーンは、グラスゴーではなくロンドンで撮影されたものだ。

公開された現場映像から確認できるのは、ブルース・ウェインが富裕層への怒りを示す群衆に囲まれること、その中にフクロウの法廷を思わせる看板があること、そしてバットマンを支持する市民もいることまでである。フクロウの法廷やアナーキーの登場、タロンの設定、抗議運動が物語で果たす役割は正式発表されていない。

映画は前作と同じ世界を舞台とし、DCユニバース本流とは別の連続性に属する作品として製作されている。現時点の米国公開予定日は2028年2月18日だ。日本での正式な題名、公開日、上映形態については、今後の国内向け発表を待つ必要がある。

元記事: Wealth Rules Gotham: Batman Part II Glasgow Photos Confirm Court of Owls as Villain

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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