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長期金利3%で不動産株はどうなる 三井不動産・三菱地所・住友不動産を比較

長期金利が30年来の高水準となっている。金利上昇が逆風となりやすい不動産株の選別について、大手3社の4-6月期決算から考察する。[写真拡大]
長期金利の指標となる新発10年国債利回りは9月1日、一時3%に達し、1996年9月以来約30年ぶりの高水準となった。借入金の多い不動産会社には金利上昇が逆風となりやすく、不動産株の先行きが注目される。三井不動産、三菱地所、住友不動産の決算を比較し、長期金利3%の環境に耐えられるかを考える。
不動産会社は、物件の取得や開発に多額の資金を必要とする。金利が上昇すれば、新たな借り入れや社債発行に伴う資金調達費用が増加する可能性がある。住宅ローン金利の上昇によって、分譲マンションの購入需要が弱まる点にも注意が必要だ。
一方、金利上昇の背景に物価上昇がある場合、オフィスや商業施設の賃料を引き上げやすくなる。都心部ではオフィス需要が底堅く、建設費の上昇によって既存物件の価値が見直される可能性もある。金利上昇だけで不動産株の投資判断を決めるのは難しい。
三井不動産の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比23.1%減の6169億円、事業利益が同44.3%減の1045億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同39.0%減の758億円だった。前年同期に物件売却による利益を計上した反動が表れた。一方、賃貸、マネジメント、施設営業の事業利益は前年同期を上回っており、継続的な収益基盤は拡大している。
三菱地所の第1四半期は、営業収益が前年同期比39.4%増の4976億円、営業利益が同94.3%増の1212億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同198.3%増の954億円だった。国内外の物件売却が営業利益を押し上げたほか、投資有価証券売却益も純利益の増加に寄与した。丸の内を中心とするオフィス賃貸事業に加え、物件売却の時期によって四半期業績が変動する点を確認したい。
住友不動産の第1四半期は、売上高が前年同期比4.2%減の2810億円だった。一方、営業利益は同1.0%増の1028億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同15.4%増の851億円となった。オフィスビルなどの賃貸事業が利益を支えたが、分譲マンションの計上戸数減少などにより、不動産販売事業は減収となった。純利益の増加には、投資有価証券売却益の計上も寄与した。
3社を比較すると、三井不動産は商業施設やホテルを含む事業の分散、三菱地所は丸の内を中心としたオフィス基盤、住友不動産は国内のオフィス賃貸と分譲マンションが特徴となる。四半期の利益では三菱地所の伸びが目立つが、物件売却の時期による変動も考慮したい。
今後は有利子負債の規模だけでなく、固定金利と変動金利の構成、借入期間、賃料の改定状況を確認する必要がある。長期金利3%は新規調達や借り換えの金利を通じて負担となっていくが、賃料上昇や安定した入居率によって吸収できる会社もある。金利上昇局面では、保有物件の質と継続的な賃貸収益が3社を選別する基準になりそうだ。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)
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