関連記事
SKハイニックス株が12%超上昇、4.5兆円規模の自社株買い発表受け

Photo by Brecht Corbeel on Unsplash[写真拡大]
韓国の半導体大手SKハイニックスの株価が20日のソウル市場で一時12%超上昇した。同社が総額40兆ウォン(約4兆5900億円)の自社株買いと取得株の全株消却を発表したことを受け、不安定な値動きが続いていた半導体株に買い戻しが広がった。
SKハイニックスは19日、取締役会が40兆ウォン相当の自社株を取得し、全株を消却する計画を承認したと発表した。8月20日から約3カ月かけ、最大約2407万株を取得する。これは発行済み株式約7億3049万株の約3.3%に相当し、取得した株式は買い付け完了後に全て消却する予定である。
同社はあわせて株主還元方針を拡充し、2025~27年に創出する累積フリーキャッシュフローの「50%以内」としていた従来目標を「50%超」に引き上げた。自社株の取得・消却と現金配当を並行して実施し、通常配当の増額や特別配当も検討する。
大規模な自社株買いの発表を受け、メモリーチップ大手である同社の株価は急伸した。メモリー市況への懸念と、長期的な人工知能(AI)需要への期待が交錯し、半導体株の値動きが不安定となるなか、経営陣が自社の中長期的な成長とキャッシュ創出力に自信を示した格好である。
CNBCによると、シティのピーター・リー氏は「この施策は株価の重要な下支えとなり、短期的な下落余地を具体的に抑える効果が期待される」と指摘した。
リー氏はさらに、大規模な自社株買いは、メモリー分野の一部が現在直面する逆風にもかかわらず、SKハイニックスが中長期的な成長見通しに自信を持っていることを示すものだと述べた。
今回の株主還元策に先立ち、SKハイニックスは生産能力の拡大に向けた大規模投資も打ち出している。同社は8月7日、AI向けメモリー需要の拡大に対応するため、韓国・龍仁の第2工場「Y2」に35兆2000億ウォン、清州のNAND型フラッシュメモリー工場「M17」に19兆1000億ウォンを投じると発表した。投資額は合計約54兆3000億ウォンとなる。
龍仁のY2は広帯域メモリー(HBM)を含む次世代DRAMの生産拠点となり、2027年7月に着工、2029年6月に最初のクリーンルームを稼働させる計画である。清州のM17はNAND型フラッシュメモリーの生産工場で、2027年2月に着工し、2028年12月に最初のクリーンルームを稼働させる予定である。
SKハイニックスは、HBM市場での有力な地位を背景に、AIインフラ拡大の主要な担い手となっている。HBMは先端AIプロセッサーと組み合わせて使用され、生成AIモデルや計算負荷の大きい用途で必要となる大量のデータを高速処理するためのメモリーである。
数百億ドル規模の自社株買いと、新たな生産設備への積極投資を同時に進める方針は、大手半導体メーカーが直面する資本配分上の課題を浮き彫りにしている。各社は生産能力を増強し、AI市場で競争力を維持するために巨額の資金を必要とする一方、投資家はこうした設備投資が最終的にキャッシュフローの拡大と株主還元につながるかを重視している。
SKハイニックスの発表は、この両面で投資家の安心感につながったとみられる。20日のアジア市場では、前日に下落したハイテク株が幅広く反発した。前日の米株式市場で主要3指数が3営業日ぶりに上昇し、市場心理が改善したことも追い風となった。
30年物米国債利回りは前日に5.33%を超え、約19年ぶりの高水準を付けていたが、19日は5.2%を下回った。借り入れコスト上昇に対する警戒がいったん和らぎ、成長株や一部のハイテク株への圧力が軽減した。
アジア市場の取引時間中には、韓国のサムスン電子が8.69%、インターネット大手カカオが4.41%それぞれ上昇した。日本市場でもソフトバンクグループが3.79%高、任天堂が3%超高、楽天グループが2.39%高となった。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
スポンサードリンク
