サントリー、第一三共ヘルスケア買収 酒類依存脱却へ医薬・健康領域に進出

2026年4月23日 17:18

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●サントリーHDが第一三共ヘルスケアを買収

 大手飲料・食品のサントリーホールディングス(HD)が15日、第一三共の連結子会社である第一三共ヘルスケアを買収すると発表した。

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 買収額は2465億円の見込みで、発表を受け、第一三共の株価は一時3.5%高となった。

 酒類や清涼飲料水を主力とするサントリーが、医薬品事業に乗り出す目論見とは何だろうか?

●サントリーと第一三共

 サントリーHDは大阪発祥で、「山崎」「白州」「響」などのジャパニーズウイスキーを生み出し、世界的な知名度を誇る。伊右衛門やDAKARAなどの清涼飲料水も有名だ。

 サントリーHDは、アサヒ・キリン・コカ・コーラと並ぶビール・清涼飲料国内大手4社の1つで、売上高は首位であるが唯一の非上場企業でもある。

 サントリーHDの売上高は、飲料・食品事業56%、酒類34%で、その他健康サプリ部門は10%に過ぎない(2025年3月期)。

 第一三共ヘルスケアは、一般医薬品(OTC)を専門に手掛けており、解熱鎮痛「ロキソニンS」、かぜ薬「ルル」、胃腸薬「ガスター10」など多くのブランドを抱える。OTCでは国内大手4社のうちの1つだ。

●両社の狙いは?

 業界首位を走るサントリーでも、国内アルコール市場が頭打ちになっていることへの危機感が強い。若者の酒離れ、少子高齢化による飲酒可能人口の減少など、酒類市場の縮小は避けられない。

 サントリーHDは、サントリーウェルネスを通じて健康食品事業を展開しているが、グループ全体の売上高からみればその割合は1割程度にしかすぎない。新たな核なる事業としての期待がかかる。

 第一三共にとっても“選択と集中”を進めたい狙いがある。

 第一三共は、グローバル展開でがん治療薬などの研究開発に注力したい。臨床試験にかかる研究開発費や臨床試験にかかるコストが重荷になっており、売却資金はこれに当てられる。

 サントリーからすれば、セサミンEXなどの健康食品とOTC医薬品の相乗効果で、予防から治療までのニーズを取り込みたい。

 第一三共ヘルスケアからしても、サントリーウェルネスの通販・EC事業の強さは、主な販路であるドラッグストアに加えて、新たに強力な販路を手に入れることができる。

 一見つながりのない飲料メーカーと製薬会社の買収はウィンウィンの関係になりやすく、他社の動きも注目される。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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