日本調剤、AI搭載の薬歴作成支援サービス「corte」を全店舗に導入

2025年5月14日 09:20

印刷

薬歴入力の様子(画像:日本調剤の発表資料より)

薬歴入力の様子(画像:日本調剤の発表資料より)[写真拡大]

  • corteが生成した薬歴(画像:日本調剤の発表資料より)

 日本調剤は13日、AI薬歴作成支援サービス「corte(コルテ)」を全店舗に導入すると発表した。全国47都道府県で展開している763店舗が対象となる。corteは、服薬指導時の薬剤師と患者の会話を自動認識して、テキスト化と要約ができるサービス。導入により、薬歴作成時間の削減や対人業務の充実化を目指すという。

【こちらも】コスモ、スターラックス航空にSAFを供給へ SAF事業を加速

 corteは、音声認識AIと生成AIを備えている。ワンタップで会話を録音でき、AIが音声を自動認識して文字化する。服薬に関わらない不要な会話内容を、AIが自動的に省いて要約する機能も搭載。医療看護の領域で広く利用されている記録方法の1つ「SOAP形式」でテキストを要約でき、薬歴データを自動生成できる。患者の主訴や薬品名など、専門的な情報も反映する。

 PCのほか、タブレット端末、スマートフォンに対応しており、訪問先でも利用可能。クラウドサービスのため、店舗間のデータ共有にも活用できる。

 corteは、corteと調剤薬局向けシステムの企画・開発などを手がけているソラミチシステムが共同開発した。プロトタイプによる実証実験を経て、2024年5月に国内初のAI搭載薬歴作成支援サービスとして本格リリース。地域を問わず全国の薬局から支持を得て、開始から2カ月で100店舗に導入した。リリースから1年となる25年4月の導入店舗数は1,500店を超えている。

 日本調剤は24年11月より、50店舗にcorteを先行導入。一定の効果が見られたことから今回の全店導入に至った。検証では薬歴入力にかかる時間の削減効果を確認。また、会話中のメモが不要になり患者との会話に集中できることや、話した内容や検査値などの子細な情報も漏れなく薬歴に反映できることなどが評価された。

 日本調剤は今後、各店舗の導入・活用をサポートしながら定着を目指す。corte社らは、薬剤師からのフィードバックを受けて機能改善を図る。今回の全店導入により、薬局業務の運用改善に加え、薬剤師の働き方改革につなげるという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事