成層圏エアロゾル中の金属粒子、約10%は燃え尽きたロケットなどに由来

2023年11月2日 11:33

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記事提供元:スラド

AC0x01 曰く、 使用済みのロケット上段や人工衛星は、地上に落ちたりスペースデブリとなったりしないよう大気圏に突入させ燃え尽きさせるのが定番であるが、アメリカ海洋大気庁 (NOAA) の調査の結果、成層圏のエアロゾルに含まれる金属粒子の約10%がこれらの燃え尽きた残骸由来の物質となっている可能性が高いことが判明した(Soraeの記事)。

調査の結果、成層圏のエアロゾルには過去の調査でも発見されていた流星由来とみられるナトリウム、マグネシウム、クロム、鉄、ニッケルの他、アルミニウム、リチウム、銅が見つかったという。特にアルミニウムと銅の質量比は、ロケットや衛星の素材として使われる割合とほぼ一致しており、これらの残骸に由来しているとみられるという。またリチウムイオン電池の搭載が増えたことから、リチウムが増加傾向にあり、その他自然界には珍しいがロケットエンジンには使用されるニオブやハフニウムも微量ながら検出されたとのこと。

これまでこうした残骸が燃え尽きた後にどうなるかはほとんど考慮されていなかったということだが、微量の金属粒子がどのように大気中を移動するかもわかっておらず、人体や環境に悪影響があるのかも不明とのこと。ただし、今後はさらにロケットや人工衛星の打ち上げが増えると見込まれることから、将来的に新たな環境問題として課題になる可能性があるようだ。

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