北緯35度付近でオーロラ見える可能性も 太陽活動活発化で NOAA

2023年4月25日 16:56

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NOAAの衛星により4月21日に撮影された太陽 (c) NOAA

NOAAの衛星により4月21日に撮影された太陽 (c) NOAA[写真拡大]

 米国海洋大気庁(NOAA)は24日、太陽活動の活発化に伴う猛烈な磁気嵐が観測されたと発表した。発表によると、4月21日に太陽で大規模なコロナ質量放出があり、警戒中であった4月23日には、NOAAによる磁気嵐の5段階強度評価レベルで2番目に激しい4に相当する磁気嵐を、一晩中継続して観測したという。

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 太陽活動は11年周期で活発化するといわれており、今回の活発化は2024年まで続くことが予想されている。今回の太陽嵐の影響により、オーロラの可視領域がより南下して、アラバマ州の南部やカリフォルニア州の北部(北緯35度付近)辺りでもオーロラが見られる可能性があるという。

 4月23日には北緯45度付近のウィスコンシン州プラスキでオーロラが観測されているが、これは北海道の稚内の緯度に相当する。ちなみに2000年以降日本国内でオーロラが観測された事例は19回もあり、日本がオーロラとは全く無縁の国であると言い切るのは早計であることがわかる。

 今回のNOAAの予報で示されたオーロラ可視地域(北緯35度付近)は、日本では滋賀県大津市、京都市などの緯度に相当し、それ以北の地域であれば、条件さえ整えばオーロラが見られる可能性を示唆している。

 ただし、今回の太陽活動活発化の影響で観測された低緯度地域でのオーロラは、典型的な緑色の輝きはなく、赤みを帯びた発光であったという。また今回のニュースはあくまでも米国での話であって、日本でも同緯度地域で直ちにオーロラが見られるという情報ではない。

 だが宇宙天気予報をこまめにチェックしていれば、日本でもオーロラを眺められるチャンスがあるかもしれないのだ。

 磁気嵐はオーロラが見られるという楽しみをもたらすだけでなく、大規模停電の発生や無線通信・GPSなどに深刻なダメージを与える懸念もあるため、喜んでばかりもいられない。先に示したように太陽活動の活発化はこの先2024年あたりまでは継続する見込みのため、今後宇宙天気から目が離せない状況があるかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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