ストックマーク、個人の関心に応じてAIが論文を自動配信 Anewsに新機能

2023年2月22日 12:54

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パーソナル論文配信機能のイメージ(画像:ストックマークの発表資料より)

パーソナル論文配信機能のイメージ(画像:ストックマークの発表資料より)[写真拡大]

 AIを用いたソリューション事業を手がけるストックマークは21日、個人の興味や関心に合わせて論文情報を自動配信する機能の提供を始めたと発表した。AIを用いてレコメンド情報を配信する「Anews(エーニュース)」において、論文情報配信サービスの新機能として提供する。主なターゲットは、製造業の研究者や技術者となり、効率的な論文活用と研究開発の生産性向上につなげるという。

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 Anewsは、AIを用いて国内外の約3万5,000のビジネスニュースサイトから、組織や個人の興味や関心にあった情報を届ける情報収集プラットフォームだ。

 導入時には、組織単位で業務に応じた関心事をキーワードとして設定可能。さらにユーザーの日々の閲覧や保存、メンバーへの情報共有などの行動をAIが学習し、パーソナライズしたレコメンド情報を提供する。他メンバーに集まっている情報も閲覧可能なため、誰がどういう情報に関心を持っているかが分かり、知りたい情報に詳しいメンバーを探すこともできる。

 Anewsは2017年4月にリリースし、その後アップデートなどを経て、22年12月より論文情報の配信も開始。あらかじめ関心事のキーワードを設定することで、AIが合致度の高い論文情報を自動配信する機能を追加した。配信対象となるのは、学術雑誌や論文の査読(論文の正式審査)前に公開されるプレプリントサーバーの論文情報で、500以上の情報をクロールする。

 今回追加されたのは、個人の関心事に合わせた論文情報を提供する機能。Anewsに配信されたニュースや論文情報に対してユーザーが行った、閲覧や保存、共有などの行動をAIが分析。個々人にパーソナライズした論文を自動配信する。

 新機能では、論文を閲覧していなくてもニュースの閲覧履歴などで論文情報のレコメンドが受けられる。そのため、論文に馴染みがなかったり論文検索が苦手なメンバーでも、気軽に論文に触れることができるという。

 Anewsを展開するストックマークは東大発のベンチャーで、設立は16年11月。17年4月にリリースしたAnewsは約3カ月で200社が導入し、経済産業省の一部部署にも採用された。19年には三菱UFJ銀行へのAPI提供や、三井物産戦略研究所のニュース分析システムに活用され運用支援も行っている。現在は主に、Anewsと企業情報や事例をAI分析し提供する「Astrategy(エーストラテジー)」を展開している。

 資金調達も順調だ。21年3月には大和企業投資など4社から総額10億円超の第三者割当増資を完了。22年8月にはシリーズCラウンドで新たに東北大学ベンチャーパートナーズなど4社を迎え、総額11億円の資金調達を実施。累計で30億円の資金調達を果たしている。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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