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強い雇用統計は株価にはマイナスか!?
●雇用統計が予想を上回る
5月6日に発表された4月の米国非農業部門の雇用者数は前月比42万8000人増となり、市場予想を上回る結果となった。失業率は横ばいの3.6%だった。
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これを受けて、長期金利が3.14%まで上昇。あらためて、ドル高が意識されやすい傾向となっている。一方で、平均時給は予想を下回り、鈍化する結果となった。
雇用が増え失業率が下がることは、本来なら景気がいいというシグナルであるが、賃金の上昇により、さらなるインフレが意識される昨今では逆にマイナスシグナルとなっている。
雇用統計が今後も株価に大きな影響を与えるのだろうか?
●雇用統計と株価
米国は日本と違い、効率優先の経営のため、終身雇用という制度がない。解雇に対するハードルが低いため、有事が起きるとリストラしやすい。
リーマンショックやコロナショックのような出来事があれば、失業率が一気に10%に上昇することもあり得る。コロナショック時には、14.7%まで上昇した。
個人消費がGDPの約7割を占める米国では、毎月初めに発表される雇用統計が景気を占う意味でも大きな意味を持つ。景気の後退期には、非農業部門雇用者数や失業率が改善されていれば、景気上向きのサインと捉えられるため、株価にも好影響となりやすい。昨年6月にも雇用統計の結果によりテーパリングが意識されることとなった。
●今後も雇用統計に注目
娯楽やサービス部門での労働需要は旺盛であり、コロナショック以前に戻りつつある。
一方で、急激な回復が様々なひずみを生み、給付金バブルとなり、労働意欲が削がれたという見方もある。労働参加率はいまだにコロナ前の回復には遠く、賃金上昇圧力となっている。
雇用増が毎月40万人を超える状態が12カ月以上続いており、求人件数の高止まりが続いている。もし毎月の雇用増が40万人を割り、平均時給の上昇もピークアウトが見えたなら、FRBの利上げペースが鈍化することも意識され、ドル高・株安の流れが止まる可能性もある。
バイデン政権は中間選挙も意識せざるを得ず、毎月の雇用統計はこれまで以上に意識せざるを得なくなるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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