関連記事
新型コロナ従来株感染による免役、長期間維持されデルタ株にも有効 東大
新型コロナウイルスへの感染から回復したハムスターの再感染について(画像: 東京大学報道発表資料より)[写真拡大]
東京大学は17日、新型コロナウイルスの従来株(最初に流行した新型コロナウイルス株)に感染することで獲得された免役は、長期間維持され、デルタ株などの変異株に対しても有効であることを確認したと発表した。ただ、現在流行中のオミクロン株については、さらに検討を要するとしている。
【こちらも】風邪に感染で新型コロナに交差免疫か 仕組みの一端を解明 理研
■中和抗体価について
研究グループは、ファイザー社及びモデルナ社のワクチン(従来株に対するもの)について、接種者のデルタ株に対する中和抗体価を調べた。すると、ファイザー社のワクチンで3.9倍、モデルナ社のワクチンで2.7倍、従来株に対してよりも中和抗体価が低いことが解った。なお中和抗体には、ウイルスが細胞に感染することを防ぐ働きがある。
次に研究グループは、従来株の感染回復から2カ月経過したハムスターについて、中和抗体価を調べた。すると同様に、従来株によりもデルタ株に対して中和抗体価が低いことが解った。
■感染後長期間経過したハムスターの獲得免役
さらに研究グループは、従来株に感染させてから15カ月経過したハムスターについて、従来株とデルタ株に再感染させ、未感染のハムスターに従来株とデルタ株を感染させた場合と比較した。すると未感染のハムスターからは、鼻の内部と肺から大量のウイルスを検出。これに対して、従来株に感染させてから15カ月経過したハムスターについては、鼻の内部からは少量のウイルスが検出されたものの、肺からはウイルスは全く検出されなかったという。
以上から研究グループは、従来株の感染によって獲得された免役は、長期間維持され、デルタ株などの変異株に対しても有効だと結論付けた。
研究グループは同時に、従来株に感染させ回復したハムスターをデルタ株に再感染させた場合、未感染のハムスターに飛沫感染しないことも確認した。
研究グループでは、現在感染の主流となっているオミクロン株について、同様のことが妥当するかについては、さらなる検討が必要であるとしている。また今回の研究成果は、今後、政府などが策定・実施する新型コロナ対策において、重要な知見を提供するものであるとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
スポンサードリンク
- 怒りを「紙に書き」「丸めて捨てる」と怒りが静まる 名大らが確認 4/13 08:51
- 量子もつれの情報伝達速度には限界があった 京大らの研究 4/ 6 16:31
- 全身性強皮症に抗酸化サプリが有効な可能性 ルイ・パストゥール医学研究センター 4/ 5 09:06
- DNAの切断を修復する仕組み解明 がんの原因解明・治療に期待 東大ら 3/22 19:19
- 日本周辺海域の魚類が小型化 地球温暖化の影響 東大 3/ 5 09:15