アステリア、エーザイ、MDVなど/本日の注目個別銘柄

2021年12月23日 15:33

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記事提供元:フィスコ


<9742> アイネス 1499 +75大幅反発。7月発表の発行済み株式数の10.5%に当たる250万株、30億円を上限とする自社株買いが12月21日までの間に終了と発表、取得額上限まで実施した。同時に、発行済み株式数の6.8%に当たる150万株、20億円を上限とする新たな自社株買いの実施も発表。取得期間は12月23日から22年3月31日まで。切れ目のない自社株買いによる需給の下支え期待に加え、株主還元策への評価が高まった。

<3902> MDV 1199 +74大幅続伸。SBIHD<8473>による株式の追加取得、並びに自社株買いの実施を発表、目先の需給改善などが期待される展開になった。SBIHDでは現在20.92%を保有しているが、市場買付などにより25.00%までの取得を目指すもよう。加えて、発行済み株式数の2.05%に当たる80万株、10億円を上限とする自己株式の取得を行う。また、SBI損保との業務提携に関する基本合意を締結するとも発表した。

<3853> アステリア 903 +104急伸。投資事業における出資先の台湾Gorilla Technology Groupが、特別買収目的会社との合併により22年1-3月期にナスダック市場に上場する予定であると発表。投資事業の出資先としては初の株式上場となるもよう。Gorilla社はエッジコンピューティングでリアルタイム動画AIやサイバーセキュリティAIなど先進的な技術開発を行う企業。株式上場による含み益の拡大期待が先行する展開に。

<4587> ペプチドリーム 2806 -111大幅反落。21年12月期の業績予想を下方修正。営業利益は従来予想の50億円以上から43億円に引き下げ。コロナ禍で外部CROを含む研究リソースが逼迫する中、フィージビリティ試験の完了時期が想定より後ろ倒しとなったことで、期中に見込んでいた契約締結時期が来期にずれ込む見通しとなった。10-12月期は営業赤字となる形であり、想定以上の収益悪化と捉える動きが優勢に。

<6302> 住友重 2751 +97大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断「オーバーウェイト」継続で、目標株価を3870円から4560円に引き上げた。イオン注入装置、プラスチック加工機械、減速機など量産機械の好調の持続性が高まっていると判断し、業績予想を上方修正している。24年3月期に過去最高益更新が予想されるなか、23年3月期予想PER7.5倍、22年3月期予想配当利回り3.8%など割安感が強いとしている。

<3038> 神戸物産 4105 +230反発。前日に11月の月次動向を発表している。単体営業利益は前年同月比18.4%増、直轄エリアの既存店売上高は同10.3%増と順調なスタートになっている。TV番組をはじめとする各種メディアやSNSなどに取り上げられている効果で、来店客数が順調に推移しているもよう。不正アクセスによる個人情報流出の可能性などから、足元で調整色が強まっていたため、押し目買いの手掛かり材料につながる状況のようだ。

<6301> コマツ 2703 +73.5大幅続伸。油圧ショベルなどの建設機械、並びにフォークリフトの国内向け全機種について、22年1月から平均10%の値上げを実施すると発表。建機の値上げは08年以来、建機とフォークリフト全機種の値上げは初めてとなるもよう。鋼材価格や物流費の高騰などに対応するため。今後は海外市場向けでも価格転嫁を進めていく方針のようだ。今後の収益改善期待が先行、日立建機<6305>などにも連想感が波及している。

<3289> 東急不HD 640 +27大幅続伸。東急ハンズの全株式を22年3月にカインズに譲渡すると発表している。譲渡額は非開示だが、200億円超の水準とみられる。22年3月期に特別利益を計上するようだ。東急ハンズは足元で大幅な赤字を計上していたこと、本業とのシナジーも強くなかったとみられることなどから、この経営判断をポジティブとみる動きが優勢になっている。

<4523> エーザイ 6477 -645急落。厚労省専門部会では前日、同社と米バイオジェンが共同開発した認知症新薬「アデュヘルム」について、審議を継続する方針を示している。現時点のデータから有効性を明確に判断することは困難との見解を示し、今後実施される臨床試験結果などをもとに再度審議の必要があるとしている。直近では欧州医薬品庁評価委員会も21年12月に承認しないとの見解を公表しており、期待新薬の先行き不透明感が一段と強まる形にも。

<6501> 日立 6049 -197大幅反落。自動車部品子会社の日立アステモでは前日、ブレーキ部品とサスペンションの構成部品で、定期試験の未実施などの不適切行為があったと発表している。定期試験の不実施や指定条件を変更しての検査など、2000年から不適切検査を実施していたものもあるようだ。調査委員会を設置して調査結果を22年半ばに公表する見通しと伝わっている。ユーザからの信頼性低下につながるなどの懸念が強まる形のようだ。《ST》

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