「逆もまた真なり」 社屋スペースを活かす

2021年10月15日 17:37

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BREWの新オフィスイメージ。(画像: BREWの発表資料より)

BREWの新オフィスイメージ。(画像: BREWの発表資料より)[写真拡大]

 BREWは、サービスの開発やクリエイティブ・マーケティングサポートを展開。かつCVC機能を持ち独自の事業展開を探るという着目したい企業。東証1部のand factory(マンガアプリ・IoT事業を手掛ける)を創業した、小原崇幹氏(現取締役会長)が2020年4月に代表として立ち上げた。

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 BREWを知る記者氏の言葉を借りれば、「ライフスタイルと密に関わるスタートアップ企業を中心に投資している」という。「起業の時代」が指摘されるいま、今春から事業を本格化した。展開に拍車がかかることを期待したい(HPで既に投資した企業が確認できる。ご参照を。一口で言うとユニコーン企業予備軍揃い)。と同時に・・・こんな事実を知り、興味を覚えた。

 BREWは7月の中旬に新しい拠点を開設している。それまでは約30平方メートルのスペースに、and factoryを小原氏とともに僅か4年で上場企業にまで押し上げた主力メンバーが肩を寄せ合って?いた。対して新しいオフィスは約120平方メートル。4倍の広さ。正直、知った当初は「時代に逆行」の5文字が頭を占めた。

 周知の通り、名だたる大企業の本社ビルの売却・移転が話題になっている。そのエビデントとして「新型コロナウイルス禍」「働き方改革」が指摘される。一口で言えばITの進化で「在宅(テレワーク)勤務の効率性」が認識され、「広い本社スペース不要」論が時流となっている。

 「?」は、「BREWの業態なら、完全なリモートワークでも業は成り立つのではないか」と考えたからである。だが件の記者氏からは30⇒120平方メートルには、「小原氏独特の、いや『ならでは』の考え方が凝縮されている」と聞いた。小原氏はこう想いを吐露しているという。

 「オフィスに集まることでスピーディな意思決定が容易になる。そうである以上は『みんなが来たくなるオフィスを創るべきだ』。CVCを展開し様々な企業に出資しているからこそ、実際のプロダクトに触れることができる環境が重要。使ってみることで『ここは、こうした方がいいのではないか』という利用者目線に立ったアドバイスを送ることができる」。CVCは単に先々の優良企業に株式投資をするだけではない。投資効果を確実に、かつ“たわわ”にするためのフォローも肝心というわけだ。

 有言実行。BREWの社内には、出資先のプロダクトがふんだんに取り入れられている。例えば、リラックススペース。社員1人1人が自由に過ごせる空間。マンガも用意されている。一息入れリフレッシュして仕事に臨む。ランチや雑談を楽しむ場にもなる。ドリンクサーバーもスタンバイ。ハンドドリップのスペシャルティコーヒーを飲むことも可能。生ビールサーバー冷凍庫のスムージー(冷凍果実/果物・野菜ジュース)を楽しむこともOK。

 要は出資先に「愛着心」を持って接することができるようになることが、対象企業の奮起に繋がるというわけだ。

 業態によっては「逆もまた真なり」ということか!?(記事:千葉明・記事一覧を見る

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