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特定の遺伝子型を持つヒトはニンジン摂取で肥満解消か 新潟大などの研究
肥満防止を目的とした食生活の改善に関して、近年では様々な情報が流通している。だが同じような食事をしているにも関わらず、人によって肥満度が異なるという問題があり、栄養学の大きな課題とされてきた。新潟大学とジーンクエストは13日、肥満度とニンジンの摂取頻度との相関は、特定の遺伝子型によって左右される可能性を示唆する研究結果を発表した。
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一般的に野菜を多く摂取する人ほど肥満になりにくいことは知られており、多くの研究による裏付けもされている。だがその効果については個人差があり、細かい摂取頻度や遺伝子型との関連に関する明確な調査はされてこなかった。そこで今回の研究では、複数の緑黄色野菜の摂取頻度と遺伝子型、肥満度の関連について調査が行われた。調査においては飲酒や喫煙、運動習慣など他の既知の因子による影響が補正されている。
その結果、ヒト遺伝子の12番目の染色体上にある「rs4445711」と呼ばれる遺伝子型が、ニンジンの摂取頻度および肥満度と強い関連があることが判明した。rs4445711をもつタイプの人は、ニンジンの摂取頻度が増えるほど肥満度が下がる傾向があることが示された。
この影響は、特に若年層ほど強い傾向があり、男女間での影響の差は見られなかった。一方で、この他の種類の野菜や遺伝子型との間にはそこまで強い関連性は見られなかったという。
今回の研究は、あくまで遺伝子型とニンジン摂取頻度との関係を間接的に証明したという点には留意が必要である。ニンジンに豊富に含まれるカロテノイドなどが直接の要因となっている可能性もあるため、今後の調査でさらなる検討が進められると考えられる。また、今回のような遺伝子型に着目した治療、予防の研究が進むことで、より個別に対応した医療が進展していくことが期待される。
今回の研究内容は、9月30日付の「Nutrients」誌のオンライン版に掲載されている。
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