16日の香港市場概況:ハンセン0.03%高で続伸、科技指数は0.6%下落

2021年7月16日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 16日の香港市場概況:ハンセン0.03%高で続伸、科技指数は0.6%下落
16日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比8.41ポイント(0.03%)高の28004.68ポイントと小幅ながら続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は21.32ポイント(0.21%)安の10152.95ポイントと反落した。売買代金は1536億9890万香港ドルとなっている(15日は1510億9070万香港ドル)。


市場活性化の思惑が強まる流れ。中国は海外IPOを計画する国内企業にネット規制当局による事前審査を義務付ける方針を示しているが、上場先が香港の場合は同審査を免除する意向のようだ——などと16日に報じられた。当局関係者は先ごろ、投資銀行などと会議し、香港上場計画中の国内企業については、ネットセキュリティ審査を免除する可能性を示唆したという。ただ、全体として上値は重い。ネット企業に対する締め付け懸念が再燃している。国家互聯網信息弁公室(国家インターネット情報弁公室:CAC)は16日、配車サービス国内最大手の滴滴出行(DIDI/NYSE)に対し、中国政府の7部門が合同でチームを派遣し、サイバーセキュリティ審査に着手したと報告した。ハンセン指数は後場途中に上げ幅を削っている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.8%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.8%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が1.6%高と上げが目立った。小米に関しては、販売シェアの拡大も支援材料。市場調査会社のカナリスが15日発表した最新データによれば、世界のスマートフォン市場で、小米集団が米アップルを上回り、出荷数トップ2位に初めて浮上している。また、小米は「新10年創業計画」のメンバーなど計122人に1億1965万株の「株式報酬」を先ごろ発表したことでも話題となった。1人あたり、およそ2700万香港ドル(約3億8000万円)に上る。


セクター別では、非鉄や鉄鋼がしっかり。新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.0%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.9%、江西銅業(358/HK)が0.6%、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が3.3%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.7%、中国東方集団HD(581/HK)が2.5%ずつ上昇した。


他の個別株動向では、冶金系エンジニアリング大手の中国冶金科工(1618/HK)が4.1%高。同社は15日引け後、今年1〜6月の新規受注額が前年比で32.2%増加したと報告した。


半面、「ニューエコノミー」関連銘柄はさえない。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は0.6%安と続落した。構成銘柄では、衆安在線財産保険(6060/HK)が5.0%安、微盟(ウェイモブ:2013/HK)が4.5%安、聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が4.0%安、平安健康医療科技(1833/HK)が3.9%安、新東方在線科技HD(クーラーン・テクノロジー・ホールディング:1797/HK)が3.9%安、華虹半導体(1347/HK)が3.6%安と下げが目立っている。ネット企業に対する締め付けが警戒された。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.71%安の3539.30ポイントで取引を終了した。消費関連株の一角が安い。公益株、半導体株、医薬品株、不動産株、銀行・保険株なども売られた。半面、非鉄や鉄鋼の素材株は高い。自動車株、エネルギー株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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