INPEXはGC示現で上昇トレンド転換しPER11倍、PBR0.4倍の修正に再発進

2021年6月13日 20:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

INPEX<1605>(東1)は、前日9日は20円高の821円と3日ぶりに急反発して引け、3月8日につけた年初来高値865円に射程圏に捉えた。

INPEX<1605>(東1)は、前日9日は20円高の821円と3日ぶりに急反発して引け、3月8日につけた年初来高値865円に射程圏に捉えた。[写真拡大]

■業績上方修正に原油価格上昇がオンして急反発

 INPEX<1605>(東1)は、前日9日は20円高の821円と3日ぶりに急反発して引け、3月8日につけた年初来高値865円に射程圏に捉えた。今年5月13日に発表した今2021年12月期の上方修正で、純利益が黒字転換幅を拡大させたことを見直し資源関連の割安株買いが再燃した。その業績の前提条件となっている原油先物(ブレント)価格も、上方修正の想定価格を上回っていることも、業績の再上方修正期待を高め、サポート材料となっている。

■足元の原油価格は前提の1バーレル=60.3ドル上回る72ドル台推移

 同社の今12月期業績は、期初予想より売り上げを1720億円、営業利益を1330億円、経常利益を1300億円、純利益を400億円それぞれ引き上げ、売り上げ1兆550億円(前期比36.8%増)、営業利益4520億円(同81.9%増)、経常利益4830億円(同87.7%増)、純利益1400億円(前期は1116億9900万円の赤字)とV字回復幅を拡大させた。業績前提の原油先物(ブレント)価格を期初予想の1バーレル=53ドルから1バーレル=60.3ドルと原油高方向、為替も1ドル=103円から1ドル=107.5円と円安方向に見直して寄与するもので、純利益は、前期に計上した各プロジェクトの減損損失1627億円が一巡することで大幅黒字転換する。配当は、年間27円(前期実績24円)に増配を予定している。

 この業績予想の前提となっている原油先物(WTI)価格は、経済正常化に伴う原油需要拡大で6月8日に一時、1バーレル=70.25ドルと2018年10月以来2年8カ月ぶりの高値水準となり(6月9日は69.96ドル)、ブレント価格も、足元で1バーレル=72ドル台、為替相場の1ドル=109円台と原油高・円安方向で推移しており、業績の再上方修正期待も強い。

■GC示現で上昇トレンド転換しPER11倍、PBR0.4倍の修正に再発進

 株価は、昨年8月の前期業績の上方修正も逆に純利益を下方修正し赤字転落したことを嫌い489円安値まで売られ、今年2月の今期業績のV字回復予想で年初来高値865円まで買われ、25日移動平均線水準で高値固めを続け業績上方修正とともに800円台に乗せてきた。このため25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは11倍台、PBRは0.43倍、配当利回りは3.28%と割安であり、年初来高値865円を通過点に昨年1月高値1217円を目指し再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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