原油先物高値はコロナ克服の証か!?

2021年2月16日 16:43

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●原油先物価格が1年超ぶりの高値

 原油先物が15日に高値を記録し、1年超ぶりに1バレル60ドルを回復した。

【12月には】原油先物が9カ月ぶりの高値に

 米国の追加経済対策と、新型コロナウイルス感染拡大防止のために行われていたロックダウン緩和への期待に加え、イエメン内戦による中東で緊張が高まることへの懸念が価格を押し上げた。

 航空機などの燃料需要の高まりに対する期待と、中東の緊張による供給面への不安が同時に押し寄せた格好だ。

●中東での緊張

 昨年から、親イランのイエメン反政府武装勢力フーシ派により、サウジアラビアの石油施設が度々攻撃されている。

 フーシ派はイエメンでアラブの春以降力をつけ、勢力を拡大している。2015年から内戦状態にあるが、サウジアラビアが介入し、サウジアラビア主導の連合軍とフーシ派の争いが繰り広げられている。

 14日にサウジアラビア主導の連合軍が、フーシ派の無人機を迎撃したと発表したことで、原油価格が動いた。それまでの4日間にフーシ派が5回サウジアラビアを攻撃しており、フーシ派は攻撃に成功したと発表している。

●原油価格はもう下がらない?

 今回の中東の緊張は、バイデン政権が6日に、フーシ派のテロ指定解除や、サウジアラビア側に対する軍事支援の停止を発表したタイミングで起きた。バイデン政権の融和政策が新たな混乱を生む可能性がある。

 昨年1月にも米国とイランの緊張で60ドル台まで上昇した。今後も地政学的な影響に左右されることは間違いない。

 一方で、2月10日には米国の原油在庫が予想に反して減少していることがわかり、IEA(国際エネルギー機関)も「OPECプラスは減産緩和を始められる」という見通しを示していこともあり、過剰な在庫への懸念も解消されていく可能性もある。

 ワクチンが普及し始め、ワクチン効果もいい結果が得られ、コロナ後を見据えた動きが加速している。ただ、原油に関してはまだまだ安心はできない。

 IEAはまだ供給が需要を上回っているとの見解を示しており、各国が掲げるカーボンゼロ・脱炭素社会への流れでは、原油の需要がコロナ前に完全に戻るかどうかは不透明だ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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