新NISAで注目される“AIインフラ株” 半導体の次に来るテーマとは

2026年6月4日 16:50

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 生成AIの急速な普及を背景に、世界のデータセンター建設ラッシュが続いている。しかし今、投資テーマの主役は半導体チップ一辺倒から、電力・通信インフラという「縁の下の力持ち」へと静かに移行しつつある。

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 国際エネルギー機関(IEA)の試算では、世界のデータセンター電力需要は2026年に2022年比で約2倍超に膨張する見通しだ。AIサーバーは一般サーバーの5~10倍の電力を消費するとされており、電力供給と通信回線の整備が今やAI普及の最大のボトルネックとなっている。

■「光ファイバーで世界に売る」電線御三家の覚醒

 このトレンドを真っ先に株価に反映させたのが、いわゆる「電線御三家」と呼ばれるフジクラ(5803)、古河電気工業(5801)、住友電気工業(5802)だ。

 フジクラの2026年3月期通期業績は、情報通信事業の営業利益が前年比1.7倍の1,527億円に達し、全社営業利益1,887億円の8割超を占めた。

 データセンター向け高密度光ファイバーケーブルの受注が急拡大し、同社は2026年3月に国内データセンター向け最多心数となる4,000心の製品を市場投入。将来的には13,000心超の対応も視野に入れており、生成AI普及という構造変化のど真ん中にいる。

 古河電工も同様だ。2026年3月期の営業利益は前回会社予想を79億円上回る639億円を達成し、2027年3月期は950億円を目指す。5月12日の決算発表当日には株価がストップ高となり、市場が「ただの電線メーカーではなく、AIインフラの中核プレーヤーだ」と再評価した瞬間だった。

■初心者が「高値の半導体株」を追いかけるリスク

 ここで投資初心者が陥りがちな罠がある。「AIが来ているなら半導体株を買えばいい」という直感的な発想だ。

 確かに半導体関連企業はAIブームの恩恵を最も早く受けた。しかし、東京エレクトロン(8035)のような銘柄は既に数年にわたる上昇を経ており、業績の好調さが相当程度株価に織り込まれている。初心者が高値圏で飛びつけば、業績や市況が想定を下回った瞬間に大きな含み損を抱えるリスクがある。

 実際、フジクラ自身も2026年5月の決算発表で2027年3月期の利益見通しが市場の高い期待に届かず、株価が急落する場面があった。どれほど強いテーマでも、株価が先行しすぎた状態では「良い決算=株価下落」という逆説が起きうる。

■「地味だが堅実」なインフラ株を成長投資枠で狙う発想

 そこで初心者に提案したい視点が、AI拡大の「インフラ的必需品」に注目する戦略だ。

 電力・通信インフラへの需要は、AIの普及度合いに応じて構造的・長期的に高まる性質を持つ。変圧器の世界的な納期は2~3年待ちが常態化しており、東京電力パワーグリッド単体でも2,000億円超の変電所新増設を計画するなど、供給制約が続く。

 こうした企業は半導体メーカーほど派手ではないが、参入障壁が高く、安定したキャッシュフローと株主還元に積極的な傾向がある。古河電工が増配方針を明確化し機関投資家・個人投資家双方の資金を呼び込んだのも、その好例だ。

 新NISAの成長投資枠(年間240万円)は個別株の購入に使えるため、こうした中長期テーマを持つ国内大型株との相性がよい。配当非課税というNISAの恩恵は、配当利回りを重視する銘柄選びで特に威力を発揮する。

 AIブームの「第1段階」は半導体の時代だった。だが今、データセンターの電力・冷却・通信網という「第2段階」のインフラ競争が本格化している。

 初心者ほど話題の主役を追いかけがちだが、テーマの恩恵が波及する「次の受益者」を先読みする発想が、長期的な資産形成においては一段と重要である。

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