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アメリカ・ジョージア州における上院選での民主党の勝利により、トリプルブルーとなったバイデン政権に対する市場の評価は、公約に盛り込まれた規制よりも目先の緩和を材料としており、やや株高方面ではあるものの、日経平均株価はダウ平均株価と共に上値の重たい展開となっている。
【こちらも】トリプルブルーの影響と暴騰する仮想通貨の今後 前編
コロナバブルの象徴ともいえるビットコインの暴騰についても、1ビットコイン約430万円で頭打ちとなり、その後のチャートはペナントを形成した後に下離れとなっている。もし、コロナバブルが継続するのであれば価格の再上昇が見込めるが、財政政策への期待の結果が現在の株価として表れているのだとすれば、すでに材料出尽くしだ。
今後はコロナワクチンの接種拡大と、それに伴う感染者数の減少などが目先の材料とされるだろうが、変異株も出回っている状況でどこまで抑えられるかについては未知数である。しかし、ワクチンによってコロナ終息の見通しが立った場合には、財政政策から金融引き締めや増税への転換も予想されるわけで、この混沌とした状態が株価にとっては心地よいといえるのかもしれない。
さて、コロナ禍に即座に反応し、投資対象を大きく変えたのが、かの投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェットであった。バフェットは「世界が変わる」として、コロナ禍が広まりつつあった2020年5月に、所持していたすべての航空株を売却したのだ。その赤字は5兆円ともいわれている。
バフェットの投資手法は、会社の将来性を見越して銘柄を選ぶグロース投資とは異なり、現在の株価が割安かどうかで銘柄を選ぶバリュー投資である。これが、長きに渡ってバフェットが成功してきた理由であるが、実は近年のバリュー投資は全体的にパフォーマンスが悪かったという。
2020年9月に発表されたバンク・オブ・アメリカのレポートには「バリュー投資は死んだ」とまで書かれているが、たしかにグロース株であるGAFAM(現アルファベットであるGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)が株式市場をけん引してきたといっても過言ではない状況だ。
2020年5月、バフェットが航空株を売却する裏で、ビッグファイブともいわれるGAFAMの5社を合わせた時価総額はとうとう560兆円を超えた。日本の東証1部である2170社の合計時価総額を上回ってしまったというのだから、凄まじい成長であったといえよう。
まさしく時代が変わる瞬間をまざまざと見せつけられるかのような出来事ではあったが、そもそもバリュー投資やグロース投資で株価を判断することが、機関投資家ではない一般市民である我々にとって正しいかといえば、甚だ疑問である。
つまり、バリュー投資のように長期間株式を持ち続けるための資金力不足はもちろんのこと、投資方法よりも優先されるべき「時間軸の明確化」と「投資的金銭感覚」が欠落してしまっていると感じられるからだ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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